外部委託とは?外注・派遣との違いと利用するメリット・デメリットを解説

人手不足の現代社会で従業員の負担を軽減し、業務を効率化するためには外部に委託するのがおすすめです。

しかし、

「外部委託する際のメリットやデメリットが知りたい」

「外注や派遣など、似たような業務形態との違いは何?」

このようにお考えではありませんか。

すべての業務を自社で行おうとすると、従業員一人あたりの業務負担が増大し、時間外労働で対応しなければなりません。コストがかかるうえ、その状態が常態化すると従業員のパフォーマンス低下にもつながります。

そこで本記事は、下記についてまとめました。

  • 外部委託と外注・派遣との違い
  • 外部委託を利用する4つのメリット
  • 外部委託に向いている業務

業務量が増え、従業員に負担を強いている場合は、ぜひ最後までお読みください。

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外部委託とは?

外部委託とは?

外部委託とは、業務のすべてや一部を外部の事業者や専門家に依頼して、自社の代わりに業務を遂行してもらうことを指します。一般的に「外部に委託すること」全般を指すため、意味としては非常に広義的です。

特に、企業の経理や労務などのバックオフィス業務や、IT運用のようなデジタルサポートがよく外部委託されます。人的リソースを確保する際に外部委託を活用することで業務効率化につながり、スピーディな業務を実現できます。

なお、似たような言葉に「外注」や「派遣」があるので、外部委託との違いを確認しておきましょう。

1.外注との違い

外部委託と外注に大きな違いはなく、ほぼ同義で使用されます。外注は「製造工程の一部を外部業者に発注すること」が基になったとされ、製造業界でよく使われる言葉でした。

そのため「一部の工程を外部業者が代行する」といった意味合いが含まれる場合もあります。しかし、現在はより多くの業界で気軽に使える言葉として、よく使用するようになりました。

たとえば、下記のようなシーンで使用されます。

  • Webサイトを制作するにあたり、サイトのデザインを外注する
  • 人事業務を外注することで、生産性の向上を図る

なかには「業務委託」が適切な場合もありますが、幅広い意味合いを内包した「外注」が使われるシーンは多いです。なお、外部委託や外注という言葉は法的根拠のある言葉ではないため、公式書類での使用は控えたほうが無難です。

外注について詳しくは以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。

外注とは?業務委託との違いとうまく活用するポイントを解説

2.派遣との違い

自社のリソースを使用しないという点で外部委託と派遣は共通していますが、下記のように異なる点も多いです。

項目 外部委託 派遣
雇用形態 業務委託契約 労働派遣契約
対価 業務の遂行 労働時間
指示 委託企業が労働者に指示を出す 派遣先企業が労働者に指示を出す
労働力の所在 発注元企業の外部 発注元企業の内部
制限される業務 制限なし ・港湾運送業務
・建設業務
・警備業務
・弁護士や税理士などの士業

さらに、派遣は利用できる期間が定められています。外部委託では契約時に取り交わした期間まで利用できるのに対し、派遣は最長で3年までと決められています。ただし、無期雇用に契約を変更したり部署異動したりすることで3年以上働くことも可能です。

外部委託を利用する4つのメリット

外部委託を利用する4つのメリット

外部委託を利用するメリットは、下記のとおりです。

  1. 人手不足問題を解決し従業員の負担軽減を図れる
  2. コア業務に集中し生産性向上を期待できる
  3. 専門家が対応するため業務効率化につながる
  4. コスト削減による利益向上を見込める

労働力が減少し人手不足に陥っている現代では、従業員一人ひとりの負担を軽減することが重要です。ひとつずつ見ていきましょう。

【メリット1】人手不足問題を解決し従業員の負担軽減を図れる

外部委託を利用することで、人手不足の現状を打破できます。企業に所属する人材の数自体は変わりませんが、業務を外部委託することで一人あたりが担当する業務量の調整が可能です。

残業や時間外労働が常態化している場合は、所定時間内で業務を終えられるため負担を強いることはありません。

たとえば、経理業務を外部の会計事務所に委託することで企業内での経理スタッフの負担を軽減し、効率的な業務運営が可能となります。さらに、システム開発を外部のIT企業に委託すると企業内での開発チームの負担を軽減し、高品質なシステムを開発できます。

従業員の負担が軽減されればモチベーションアップやパフォーマンスアップにつながり、業務品質の向上を実現可能です。

【メリット2】コア業務に集中し生産性向上を期待できる

外部委託を利用することで、コア業務に集中でき生産性向上を期待できます。コア業務とは売上に直接つながる重要度の高い業務で、自社の従業員はできる限りコア業務に集中することが良いとされています。

重要度の低い業務は判断を必要とする要素がなかったり難易度の高いスキルが不要だったりするため、必ずしも自社の従業員が対応しなくても構いません。

たとえば、人事部門において給与計算や勤怠管理は手間がかかるものの、誰でも同様の結果を導き出せます。このような業務を外部委託して、人事担当者は採用広告に掲載する文章や企業説明会のプログラムを考えることで、効果的な採用活動につなげられます。

自社の従業員でなければできない業務とそうではない業務に切り分けて、重要度の低い業務はできる限り外部委託するのがおすすめです。

【メリット3】専門家が対応するため業務効率化につながる

外部委託先の企業はその業務のプロフェッショナルのため、専門的な知識やノウハウを持っています。そのため、自社が対応するよりもスピーディで効率的な業務遂行が可能です。

たとえば、ITシステムの開発や保守を外部委託する場合、専門的な知識や技術を持った企業に依頼することで、自社で行うよりも高品質かつ迅速な開発や運用が可能となります。

外部委託先の企業は、多くの顧客からの依頼を受けているため、業務の効率化や改善方法も熟知しており、自社の業務プロセスの改善にも役立ちます。

さらに、外部委託先の専門的な知識やノウハウを自社の従業員も学ぶことができ、内製化する際は業務の向上につながる可能性があります。

【メリット4】コスト削減による利益向上を見込める

外部委託を利用することで、自社の従業員が対応するよりもコストを削減できます。業務量が多い際は、自社で対応すると下記のような人件費がかさみます。

  • 残業や休日出勤などの時間外労働手当
  • 新規採用する場合の採用コスト、教育コスト

特に、業務が増えたからといって安易に新しい労働者を雇用すると、毎月の給与や福利厚生費など多くの費用が必要です。

一方で、外部委託を利用すると利用料金のみのコストで済みます。一般的に外部委託の利用料金のほうが人件費より安価なため、コストの削減が可能です。

また、外部委託は依頼できるタイミングを調整できます。つまり、繁忙期のような人手が不足しがちな時期のみ依頼すると、はるかにコストを抑えられます。

外部委託を利用する4つのデメリット

外部委託を利用する4つのデメリット

外部委託を利用するデメリットは、下記のとおりです。

  1. 社内にノウハウが蓄積されない
  2. 情報漏えいのリスクがある
  3. 品質にばらつきが出る恐れがある
  4. 思ったよりコストがかかる場合がある

外部委託利用するとコスト削減につながるのですが、社内に専門家がいない場合などは費用感がわからずかえってコストがかかる場合もあります。ひとつずつ見ていきましょう。

【デメリット1】社内にノウハウが蓄積されない

外部委託を利用する際は、社内にノウハウが蓄積されません。基本的に外部委託した業務は成果のみが納品されるため、経過の把握は困難です。

たとえば、Webサイトの制作を外部委託した場合は社内のWeb制作のノウハウが蓄積されず、今後同様の案件が発生した場合にも外部委託を余儀なくされる可能性が高くなります。

また、制作途中の進捗状況や問題点などを把握できないため、内製化した場合は解決までに時間がかかります。したがって、外部委託する際は、どの程度まで情報共有してもらえるのか確認しましょう。

さらに、自社の従業員もチームに入り業務を進めることで、ノウハウを吸収しやすくなります。外部委託した業務にできる限り関与し、常に状況確認をすることが重要です。

【デメリット2】情報漏えいのリスクがある

外部委託を利用すると、情報漏えいのリスクが高まります。自社内で業務をすべて遂行する場合は、ある程度情報をコントロールできますが、外部に渡した情報の管理は簡単ではありません。

たとえば、自社の従業員が使用するPCにはセキュリティソフトを導入できますし、アップデートも簡単です。しかし、外部委託先の従業員が使用するPCの管理は不可能です。

外部委託先のセキュリティリテラシーが低く、誰でも見られるような状態にしたうえで外出先にPCを放置されると簡単に情報が流出してしまいます。

そのため、外部委託を利用する際に、どのようなセキュリティ対策が行われているのかしっかりと確認しておくのがおすすめです。

また、プライバシーマークを取得している企業であれば、セキュリティに対して判断の基準になります。情報漏えいは社会的信用に影響する恐れがあるため、ないがしろにしないように注意しましょう。

【デメリット3】品質にばらつきが出る恐れがある

外部委託した業務は自社で指示ができないため、業務品質にばらつきが出る恐れもあります。自社で業務を行う際は、業務の様子を監督できるうえ、品質のチェックも確実にできるので求める水準を満たさないケースはほぼありません。

しかし、外部委託をすると経過が把握できないまま、成果物として自社に納品されます。外部委託先の担当者が変わる場合は、人によって品質の差が大きいケースも考えられます。

品質のばらつきを抑えたいのであれば、基準となる品質の幅を狭くしたり業務の工程を把握したりしなければなりません。

また、自社でデータを収集して品質に変化が起きたタイミングを把握しておくことも重要です。自社でばらつきを発見できるように、常に納品物の出来映えをチェックしておきましょう。

【デメリット4】思ったよりコストがかかる場合がある

専門性の高いスキルを持つ従業員が自社におらず、外部委託を利用する場合は、費用感や適正な納期を判断できない場合があります。結果的に、一般的な相場に対して割高なコストをかけてしまうことも多いです。

とはいえ、費用感がわからないからといって、料金の安さのみに注目するのはおすすめできません。対応できる業務範囲が狭かったり品質が低かったりして、結果的に修正コストがかさむ結果になりかねないからです。

そのため、外部委託を依頼する際は、複数の外部委託先から見積もりをしてもらって費用感を掴むことが重要です。そのうえで単純な安さではなく、高い費用対効果を得られるような外部委託先を選びましょう。

外部委託に向いている業務

外部委託に向いている業務

外部委託に向いている業務は、下記のとおりです。

  • 人事業務
  • 経理業務
  • 営業事務
  • 在庫管理
  • データ入力
  • 資料作成
  • テレアポ
  • コールセンター
  • Webサイト運営
  • 製品の製造
  • システムの保守運用 など

一般的に外部委託に向いている業務は、マニュアルが整備されていて判断が不要なものとされています。マニュアルを読めば対応できる業務は、定型化されている業務なので基本的に誰が行っても同じ成果を得られる業務です。

わかりやすい例を挙げると、売上に直結しないバックオフィス業務がそれにあたります。一方で、顧客と直接やりとりをする営業は、その都度適切な判断が求められるため外部委託は向いていないと言われています。

しかし、営業部門のなかでも資料作成や営業リスト作成などは、顧客と直接やりとりしないため外部委託するケースが多いです。このように、外部委託に向いている業務はある程度決まっているものの、企業によって異なる場合もあります。

そのため、あらかじめ外部委託したい業務を洗い出し、外部委託先に相談してみるのがおすすめです。

外部委託するならオンライン秘書がおすすめ

外部委託するならオンライン秘書がおすすめ

外部委託を検討する場合は、オンライン秘書がおすすめです。オンライン秘書のサービスは数多くありますが、一般的に秘書業務以外にも幅広い業務に対応しています。

そのため、部門をまたいで外部委託したい業務がある場合は、外部委託先をひとつにまとめられるのです。経理業務を会計事務所、人事業務を社会保険労務士事務所に依頼するなど、外部委託先が複数になると管理が煩雑です。

一方で、オンライン秘書サービスでは定型的な経理業務や人事業務に対応できるため、ひとつの外部委託先だけで事足ります。

たとえば、オンライン秘書・オンラインアシスタントサービス『i-STAFF』では、下記のように幅広い業務に対応できます。

  • 秘書業務
  • 経理
  • Webサイト運用
  • 人事
  • 営業アシスタント

また、それぞれの分野に特化したオンライン秘書がアサインされるため、高い品質を誇ります。i-STAFFの詳細は、下記よりご確認ください。

重要度の低い業務は外部委託して効率化を図ろう

重要度の低い業務は外部委託して効率化を図ろう

外部委託とは、業務の一部、あるいは全部を外部の企業に委託して進めてもらうことです。従業員一人ひとりの負担を軽減するために有効な方法のひとつで、生産性向上やコスト削減にも影響を与えます。

一般的にマニュアルが整備されている定型業務は外部委託に向いているとされるため、外部委託を考える際は定型化されている業務を洗い出すことから始めましょう。

また、その際はマニュアルが用意されているか確認し、必要に応じて最新版にアップデートすることがおすすめです。

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