社員が突然会社を退職する理由とは?突然辞める人の特徴と対処法
企業を成長させるためには社員の力を必要としますが、突然退職するケースも多くあります。
そこで、
「社員が突然退職する理由は何?」
「退職を防ぐ方法を知りたい」
このようにお考えではありませんか。本記事では、下記のことがわかります。
<本記事でわかること>
- 社員が突然会社を退職する理由・兆候
- 突然会社を退職する人の特徴
- 突然退職するのを防ぐ方法
- 損害賠償請求の可否
- 社員が退職してしまった場合の対処法
社員が突然退職してしまっては、業務が滞りかねません。離職率を上げたくないのであれば、ぜひ最後までお読みください。
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目次
社員が突然会社を退職する5つの理由
社員が突然会社を退職するのには、5つの理由が考えられます。
- 上司・同僚との人間関係に悩んでいるから
- 給与に不満があるから
- 業務量が多すぎるから
- 評価に不満があるから
- 自己成長につながらないと判断したから
順番に見ていきましょう。
理由1.上司・同僚との人間関係に悩んでいるから
退職を考える理由のひとつに、人間関係の問題が挙げられます。周りから問題なく見えていても、本人がストレスを感じているケースも見られます。
上司に質問をしたときに、その上司の返答が「そんなこともわからないの?」といった態度に感じる人がいるかもしれません。もちろん、上司はそんなつもりで言っていないと思いますが、言葉ひとつにしてもどう捉えられるかわからないのです。
企業内におけるすべての人間関係をストレスフリーにすることは困難ですが、上司・同僚とわず、日頃から自身の態度を見つめ直すようにしましょう。
理由2.給与に不満があるから
給与に不満を感じる人も、突然退職してしまうかもしれません。給与に不満があると言っても、いくつかの例が考えられます。
▼給与に不満がある人の例
- 業務の量に対して給与が少ない(例:毎日残業しているのに見合っていない)
- 業務の質に対して給与が少ない(例:危険な仕事をしているのに見合っていない)
- そもそも生活できるだけの給与ではない
給与は企業の規模によって左右されるので、簡単に上げることは難しいと思います。しかし、できるだけ同業の相場をリサーチし、社員に見合った給与を設定しましょう。
理由3.業務量が多すぎるから
業務量が多すぎると、負担に感じて退職してしまう人がいます。給与とも関連しますが、自分の理想とする働き方と乖離していると感じるのです。
特に、現代は給与よりも時間を大切にする人もいるので、自由な時間がなくなることに不満を感じます。残業をしなくてすむように、人員を拡充したり業務量を調整したりして不満を解消しなくてはなりません。
理由4.評価に不満があるから
会社からの評価に不満がある場合も、退職につながります。
「自分は精一杯会社に貢献しているのに評価が低い」と感じれば、もっと評価してもらえる企業に転職を考えるのは必然です。
しかし、自己評価と他者の評価が合致しないことは、不思議ではありません。そのため、企業は「なぜ、このような評価を下したのか」をしっかりと説明できるようにしましょう。お互いに納得できる評価が大切です。
理由5.自己成長につながらないと判断したから
「このまま会社にいてもこれ以上の成長は見込めない」と判断する人も、退職する場合があります。社員のなかには、自己成長を重視している人もいます。
つまり、現状の環境で学ぶことはなくなり、次の環境を求めるといった学習意欲の高い人です。やりがいを感じてもらうために、新しいプロジェクトを任せたり今までとは違う人員を配置したりして、学ぶ機会を与えることが大切です。
突然会社を退職しやすい人の5つの特徴
突然会社を退職してしまう人には、いくつかの共通した特徴があります。
- おとなしい人・優しい人
- 上昇志向が強い人
- 我慢が苦手な人
- コミュニケーションが苦手な人
- 被害者意識が強い人
簡単に紹介します。
特徴1.おとなしい人・優しい人
おとなしい人や優しい人は、退職しやすいと言われています。どんな頼まれごとでも快く引き受けて、不満を表に出さないことが多いからです。ふとしたきっかけで不満が爆発し、退職に至ってしまいます。
本人からすれば「突然」ではなく、かなり前から悩んでいたと考えられます。人に言わないだけで、何らかのサインを出している場合もあるので、細やかな配慮が必要です。
特徴2.上昇志向が強い人
上昇志向が強い人は自己の成長を求めるので、周囲の環境に不満を持つ場合があります。例えば、「周囲のモチベーションが低い」「切磋琢磨できる仲間がほしい」と考えがちです。
そのような場を提供できればいいのですが、多数の人と仕事をする以上、さまざまな考え方の人がいます。したがって、企業と個人が尊重し合えるような職場づくりをしなければなりません。
特徴3.我慢が苦手な人
我慢が苦手な人は、つらい出来事があったときに耐えきれず、退職しやすい傾向にあります。自身が我慢しなくてもいい環境を探し、転職を繰り返します。
ミスをしてしまい上司に叱られた場合や苦手な業務を任された場合に、改善ではなく、退職を考えてしまうのです。
特徴4.コミュニケーションが苦手な人
企業の仕事は、個人ではなくチームとして活動するケースがほとんどです。コミュニケーションが苦手だと、周りとうまく調和できずに突然退職してしまう場合があります。
例えば、
- 質問しづらい
- 報・連・相がうまくいかない
といったように周囲と壁をつくり、孤独を感じるようです。結果として、居づらくなって退職を決断してしまいます。
特徴5.被害者意識が強い人
突然退職する人の一部に、被害者意識が強い人も見られます。つまり、トラブルがあったときに「自分に責任はない」と感じる人です。
トラブルやミスが発生した場合、同じミスは繰り返さないように改善するのが一般的です。しかし、被害者意識が強い人は「自分の責任ではないから」と反省せず、他者に責任転嫁します。
チーム内の不満につながり、突然の退職につながってしまうのです。
社員が突然会社を退職する8つの兆候
突然会社を退職すると言っても、本人はじっくりと考えている場合がほとんどです。そのため、下記のように何らかのサインが出ているかもしれません。
- あいさつ・世間話をしなくなった
- 頻繁に愚痴をこぼすようになった
- 早退や休暇をとるようになった
- 身なりが変わった
- 自発的に発言しなくなった
- 付き合いが悪くなった
- 生産性が下がった
- デスクやロッカーを片付け始めた
簡単に確認してみましょう。
兆候1.あいさつ・世間話をしなくなった
あいさつや世間話をしなくなった人は、精神的に追い込まれていたり悩みを抱えていたりするかもしれません。
ほかの社員からあいさつされても、
- 反応がない
- 口数が少ない
といった場合は、退職を考えている可能性があります。
兆候2.頻繁に愚痴をこぼすようになった
会社に対してまったく愚痴をこぼさない人は少ないですが、あまりにも頻繁になった場合は注意が必要です。単純な愚痴だけではなく、転職活動のなかで他社と比較しているかもしれません。
一方で、頻繁に愚痴をこぼしていたのに、まったく言わなくなったら危険信号です。すでに退職を決意し、現在の会社に対して何も思っていない恐れがあります。
兆候3.早退や休暇をとるようになった
あまり早退や休暇を取らなかった人が取るようになったら、転職活動をしている最中かもしれません。あるいは、有給休暇を少しずつ減らしている可能性もあります。
モチベーションが低下しているだけの場合もあるので、悩みを抱えていそうなら早めに声をかけるのがいいでしょう。
兆候4.身なりが変わった
それまでの服装や髪型と比較して、整っている場合は転職活動をしているかもしれません。例えば、髪の色やネイルが落ち着いたり、スーツが新調されていたりするといった変化があります。
また、具体的な活動はしていなくても、精神的な変化が考えられます。
兆候5.自発的に発言しなくなった
自発的に発言をしなくなった場合は、退職に気持ちが傾いていると考えられます。業務の成否に執着がなくなり、会社に未練のない場合が多いからです。
また、自分の意見がなくなり、「Yes」しか言わなくなった場合も同様です。その場合は、波風を立てずに退職しようと考えているかもしれません。
兆候6.付き合いが悪くなった
急に付き合いが悪くなった場合は、注意が必要です。転職活動に気づかれまいとして、1人の時間を過ごすようになっているかもしれません。
また、「どうせ退職するから必要以上のコミュニケーションは意味がない」と考え、自分の時間を重視している可能性もあります。
兆候7.生産性が下がった
退職を考えるとどうしてもモチベーションが下がるため、現状の業務に対してなかなか全力であたれません。そうなると、当然生産性は下がってしまいます。
急に生産性が下がった場合は悩みや不満を抱えているかもしれないので、話を聞くといったアクションが大切です。
兆候8.デスクやロッカーを片付け始めた
退職が明らかだと考えられるのは、突然デスクやロッカーを片付け始めたときです。通常の整理整頓ならともかく、少しずつものを処分したり持ち帰ったりしている場合は、身辺整理の可能性があります。
片付け以外にも、退職の兆候がなかったか思い返してみましょう。
突然社員が退職するのを防ぐ5つの方法
社員が突然退職するのを防ぐためには、下記のような方法があります。
- 業務量を調整する
- 日頃からコミュニケーションをとる
- 待遇を見直す
- 面談をおこなって悩みや不満を聞く
- 一緒にキャリアアップのプランを考える
順番に紹介します。
方法1.業務量を調整する
業務量が多いと社員の負担になり、退職につながる恐れがあります。残業が多いのであれば、業務量の調整をしましょう。
ただし、人員を拡充すると1人あたりの業務量は減らせますが、閑散期には費用がかかりすぎる恐れもあります。
おすすめは、代行サービスの活用です。代行サービスを利用すると、自社社員を増員することなくノンコア業務を外注できるうえ、閑散期にはプラン変更などで費用の調整もできます。
社員の負担を軽減できるよう業務量にはつねに気を配り、直接社員に聞いてみましょう。
方法2.日頃からコミュニケーションをとる
特別な方法ではありませんが、普段からコミュニケーションをとっておくのは重要です。コミュニケーションが盛んであれば、相談しやすい環境につながり、突然の退職を防止できます。
ただし、コミュニケーションが苦手な人や内容にあまり興味のない人といったさまざまなタイプがいるので、無理強いは禁物です。環境作りには重要な要素なので、仕事の話だけではなく雑談も積極的にするのがおすすめです。
方法3.待遇を見直す
「退職したい」という考えに至らないように、つねに適切な待遇を心がけなければなりません。時代や個人に合わせて常に最適化しておけば、「退職したい」と考えるどころか高い満足度を得られます。
ただし、退職を引き止めるために待遇を上げるのは、おすすめしません。
待遇面が退職の原因でなければ根本的な解決にならず、それどころかほかの社員も待遇面を引き上げるために退職を申し出る恐れがあります。したがって、場当たり的な改善ではなく、定期的に見直すようにしましょう。
方法4.面談をおこなって悩みや不満を聞く
定期的に、評価のフィードバックといった面談をおこなっている企業は多いと思います。できれば、それ以外にも話を聞くだけの面談を定期的に行うのがおすすめです。
1対1の面談をおこなえば、さまざまな内容を相談しやすくなります。ただし、人によっては遠慮してしまう場合もあるので、「面談が問題ないから、悩みや不満はない」と安直に考えるのは避けましょう。「最近あまり面談をしていない」という人は、ぜひ実施してください。
方法5.一緒にキャリアアップのプランを考える
面談内容のひとつで、キャリアアップのプランを一緒に考える方法も有効です。自己成長を考えている人に効果が高く、どのように成長するか一緒に考えてあげます。
自己成長をそれほど望んでいない人でも、親身になってくれる様子はうれしいものです。しかし、無理強いすると、かえって退職のきっかけになりかねません。社員の望んでいることが何なのか、しっかりと見極めましょう。
突然退職された場合は会社から社員に損害賠償請求できる?
十分に気を配っていたとしても、突然社員に退職されてしまうこともあるかもしれません。
突然社員に退職されると、業務の遂行が困難になるため、企業として大きなダメージを受けてしまいます。その場合、損害賠償を請求できるかは、雇用契約に期間を定めているかによって決まります。
雇用契約 | 概要 |
---|---|
期間の定めがある | やむを得ない事由がない限り、期間途中での退職は無効 |
期間の定めがない | 2週間前に予告をすれば退職可能 |
やむを得ない事由とは、
- 本人が病をわずらい、業務が困難になった
- 家族の介護が必要になった
といった状況です。
また、期間の定めがない雇用契約を結んでいた場合、就業規則で「1ヶ月前に申告」と決められていても法律が優先されます。つまり、社員が2週間前の予告を守っていれば、損害賠償の請求は認められない可能性が高いです。
損害賠償請求についてまとめます。
- 期間の定めがある雇用契約で、定められた期間内に退職されると、損害賠償請求できる場合がある
- 期間の定めがない雇用契約で、予告から2週間経たず退職されると、損害賠償請求できる場合がある
もし該当するケースがあるなら、弁護士に相談してみましょう。
突然社員が退職してしまったときの対処法
社員が退職する場合は、早めに求人して新しい社員を採用しておくのが一般的です。しかし、自社の社員や派遣社員を雇うには、時間や採用コスト、教育コストがかかります。
そもそも突然社員が退職してしまったときは、後任を用意できない場合がほとんどです。その場合は、すぐにアサインできる代行サービスがおすすめです。
代行サービスを利用すると、下記のメリットがあります。
- コストが削減でき、利益向上を見込める
- コア業務に集中できるため、生産性が向上する
- その業務のエキスパートが代行するため、品質向上につながる
急な依頼でも対応してくれる代行サービスが多いので、ぜひ活用してみてください。
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社員の気持ちを見極めて突然の退職を防ごう
突然社員に退職されると企業として困ってしまいますが、ほとんどの場合は退職の兆候が出ているものです。社員それぞれの特徴をつかみ、兆候を見逃さないようにしましょう。
また、突然の退職を防ぐためには、引き止めることよりも日頃のコミュニケーションや面談が重要です。社員の行動や気持ちの理解に努めて、突然の退職を未然に防ぎましょう。
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