小さな会社の事務業務を改善するポイント・成功事例を解説
業務改善に取り組む企業は多いですが、大企業よりも規模の小さな会社ほど業務改善はしやすく、効果も高いものです。そこで、
「効率的に業務改善を行う方法を知りたい」
「事務業務を改善する際のポイントは?」
このようにお考えではありませんか。
改善すべき業務は、企業の規模にかかわらず潜んでいるものです。特に、規模の小さい会社ほど業務改善の効果は高いため、積極的に実施しなければなりません。もしも業務改善に対して消極的な場合は、競合との競争で一歩遅れてしまう恐れがあります。
そこで本記事では、下記をまとめました。
- 小さな会社の事務業務を改善する6つの手順
- 小さな会社の事務業務を改善する際のポイント5つ
- 事務業務の改善に成功した事例3選
規模の小さい会社で業務改善を実施し、効率化を図りたい方は、最後までお読みください。
なお、事務業務を改善する方法のひとつに、アウトソーシングの活用が挙げられます。i-STAFFは、幅広い事務業務に対応しているオンライン秘書・オンラインアシスタントサービスです。
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目次
小さな会社ほど業務改善が成功しやすい理由
業務改善はほとんどの会社が取り組んでいますが、下記の理由から小さな会社ほど成功しやすいと言われています。
- 大企業と比較してフットワークが軽い
- 少数精鋭なので、情報を共有しやすい
大企業は小さな改善でも、複数の上長から承認を得なければなりません。複数の人物を経由すればするほど時間がかかるため、改善提案を提出してから実施するまで時間がかかります。もちろん、直属の上司に承認を得られたとしても、最終判断でNGとなれば時間がかかるうえに実施できません。
一方で、小さな会社の場合は承認の数自体が少なくなり、スピーディに改善活動ができます。さらに、業務改善は1回でうまくいかない場合も多く、トライ&エラーが重要です。承認に時間がかからない小さな会社ほどPDCAサイクルを回すのが早くなり、高い成果を出しやすくなります。
小さな会社の事務業務を改善する6つの手順
小さな会社の事務業務を改善する手順は、下記のとおりです。
- 現場把握
- 改善する業務を選定
- 目標設定
- 改善計画を立てて実行する
- 効果測定
- さらなる改善
事務業務の改善で高い成果をあげるためには、実施した改善策の効果測定とそれに対するさらなる改善が重要です。ひとつずつ紹介します。
【手順1】現状把握
業務改善で重要なことは、現在行っている業務について、業務フローやかかっている時間などをしっかりと把握することです。「現在の業務にムダはあるのか」「どの程度のムダなのか」「改善効果はどれくらいか」などがわからなければ、改善につなげることはできません。
特に、事務業務ではExcel作業が改善の対象となるケースが多いです。ほとんどの従業員は一般的な使用はできますが、複雑な関数やマクロを使用できる従業員は多くありません。会社に得意とする人材がいない場合、関数やマクロを使えばすぐに終わる業務も手作業で時間をかけているケースがあります。
このように、現状を把握することが重要ですが、慣れ親しんだ業務ほどムダを発見しづらいものです。そのため、第三者の目線で客観的に業務を見つめることが重要です。
【手順2】改善する業務を選定
業務の現状把握を終え、ムダのある業務が判明したら、どの業務を改善するか選びましょう。改善する業務はできる限り1つに絞り、複数の業務改善を同時進行しないことが重要です。あれもこれもと手をつけては、結局何も進まずに時間ばかりが過ぎてしまいます。
洗い出した業務から改善する対象を選ぶ際は、効果の高いものや取り組みやすいものを選びましょう。効果が高くて取り組みやすい業務を選ぶのが一番良いですが、なかなかそのような業務は見つかりません。
効果が高くても取り組みづらければ、改善を達成できない恐れもあります。バランスを考えて改善する業務を選びましょう。
【手順3】目標設定
改善する業務が決まれば、どの程度改善したいのか考えなければいけません。つまり、目標の設定です。
目標を設定する際は、数字を使った目標を立てましょう。数字を使わず「たくさん」や「できる限り」などの言葉だけで立てた目標は、達成度合いがわかりづらいだけではなく、途中の進捗状況も正確に把握できません。
たとえば、下記のような目標設定がおすすめです。
- 作業時間を○%削減する
- 入力ミスを0件にする
「何を」「いつまでに」「どうしたいか」などを、数字を使って表すように意識しましょう。
【手順4】改善計画を立てて実行する
目標が決まれば、達成に向けてどのような活動をするのか、しっかりと計画を立てます。計画を立てる際は目標から逆算し、すぐに行動できるレベルにまで細分化するのがポイントです。
行動できるレベルにまで細分化されていなければ、何をしていいかわからなくなり、何もできないまま時間を過ごす恐れがあります。
年間を通して改善をすすめる場合は、月間目標を作成し、日々のタスクレベルに分解しましょう。このとき、日々のタスクが最終目標につながっているか、しっかりと確認することが重要です。
【手順5】効果測定
計画を作成し、実行したあとは効果測定が重要です。目標の達成度合いも重要ですが、ほかにもどのような効果があったのか確認しましょう。目標を達成できなくても、思わぬ効果や気づきを得られる場合があります。
そのような発見は、同じ業務の改善につながったり別な業務の改善に役立ったりします。また、効果測定をする際は、できる限り多くのデータを収集しましょう。データに基づいた結果を出せると、さらなる改善活動をする際に上長の承認を得やすくなります。
【手順6】さらなる改善
改善目標の達成度合いにかかわらず、次にどのようなアクションをとるかが重要です。そもそも改善活動は、一度達成して終わりという単純なものではありません。目標を達成できたとしても、もっと改善できる箇所が新しく見えてくる可能性もあります。
また、ツールを導入して改善がうまくいった場合は、ほかの業務に水平展開できるか検討しましょう。このように、一回の改善活動で終わらせず、上手に使い回して効果の最大化を図ることが重要です。
小さな会社の事務業務を改善する際のポイント5つ
小さな会社の事務業務を改善する際は、下記のポイントを押さえておきましょう。
- 従業員の教育
- マニュアルの整備
- ツールの活用
- 業務の自動化
- アウトソーシングの活用
業務改善の方法はいくつかありますが、それらを有効活用するためには従業員の教育が欠かせません。改善意識が低いまま活動しても、成果につながらない可能性があります。順番に見てみましょう。
【ポイント1】従業員の教育
事務業務を改善する際は、まず従業員に改善の重要さを説明しなければなりません。改善の重要さを理解している人は多いですが、事務業務をどのように改善していいのかわからない人もいます。したがって、「事務業務の改善で大きな効果を得られる」ということを理解してもらいましょう。
たとえば、事務業務を改善するためには、ツールを活用するケースが多いです。しかし、事務業務で忙しい担当者は、そもそもツールを知り得ません。
「ツールを知らないから改善が進まない」という受け身の状態から「ツールで改善できるなら活用したい」という積極的な状態に意識を変えることが重要です。そのために、経営者や管理者が指揮をとって、教育の機会をセッティングしましょう。
【ポイント2】マニュアルの整備
事務業務の改善を進めるためには、社内のナレッジ管理やマニュアルの整備が重要です。ナレッジ管理やマニュアル整備が曖昧になっている状態は、業務に関する知識が共有されていないうえ、作業者によって業務の進め方が異なる可能性もあります。この状態で改善を進めても、すべての作業者に効果があるとは限りません。
たとえば、ある作業者からヒアリングをして改善活動を進め、業務フローを変更したとします。しかし業務フローがマニュアル化されておらず、その作業者のやり方が独特だった場合は、ほかの作業者にとって迷惑となりかねません。
このように、実際の改善活動を進める前に、ナレッジ管理やマニュアル整備を実施して業務の標準化を図る必要があります。
【ポイント3】ツールの活用
実際に事務業務を改善する場合は、各種ツールの活用が欠かせません。事務業務はパソコンで業務を進めることが多いため、改善するためにはパソコンで使用するソフトウェアが重要です。
たとえば、社内コミュニケーションをメールに頼っている場合は、チャットツールを導入することでコミュニケーションが活性化・迅速化します。
メールを使用すると、自社の従業員や取引先、営業などさまざまな相手からメールが届きます。多くのメールに重要な内容が埋もれてしまう恐れがあり、決して効率的とはいえません。
一方で、チャットツールを活用すると、プロジェクトや部署ごとにグループを作成できるため管理が簡単です。メールと比べると、重要な内容が埋もれることも少なく、効率化が図れます。
ほかにも電子署名やタスク管理、スケジュール管理ツールなどさまざまなツールがあるため、課題解決につながるツールは積極的に検討しましょう。
【ポイント4】業務の自動化
ITツールが発展したことで、今まで手作業でしかできなかった業務も自動化できるようになりました。洗い出した業務が自動化できそうなら、積極的に導入を検討しましょう。
事務業務の自動化ではRPA(RoboticProcessAutomation)ツールが有名で、パソコンで行う業務の多くを自動化してくれます。業務の迅速化はもちろん、単純なミスもなくなるため、人的リソースの確保や品質向上が可能です。
【ポイント5】アウトソーシングの活用
事務業務の改善を実現するためには、アウトソーシングの活用も有効です。業務改善を進めるうえで重要なことは、柔軟な考え方をもつことです。ツールを活用したり業務フローを最適化したりすることで業務改善は成功につながりますが、新たな従業員の負担につながっては意味がありません。
たとえば、ツールの導入は効果的ですが、使いこなすためには従業員の習熟が必要です。操作が難しいツールの場合、使いこなすのに時間がかかるだけではなく、最終的に使われなくなる恐れもあります。
一方で、アウトソーシングは業務の一部、または全部をアウトソーシング企業に依頼します。依頼した業務のリソースをまるごと確保できるため、効果の高い業務改善が可能です。
事務業務の改善に成功した中小企業の事例3選
事務業務の改善に成功した事例を3つ紹介します。
- AIチャットボットで社内の問い合わせが激減
- RPAで文書管理サービスの自動化を実現
- 複雑化した経理業務をアウトソーシング
それぞれの概要を見ていきましょう。
【事例1】AIチャットボットで社内の問い合わせが激減
<出典:ゲンキー株式会社>
ゲンキー株式会社は、ドラッグストアを運営する企業です。同社では店舗スタッフからの問い合わせ対応で、本部スタッフのリソースを激しく消費していました。
FAQやマニュアルを整備しても問い合わせが減らなかったため、文章生成AIのChatGPTを活用したAIチャットボットを導入します。チャット形式でFAQやマニュアルを検索できるようになり、店舗スタッフの自己解決力が上昇しました。
そのため、本部への問い合わせが激減し、コア業務に専念できるようになりました。
【事例2】RPAで文書管理サービスの自動化を実現
<出典:三菱造船株式会社>
三菱造船株式会社は、電帳法に対応するクラウド型の文書管理サービスを導入したとき、業務効率化のためにRPAツールの導入を検討しました。
紙で処理していた書類を少しずつ電子化し、RPAツールを活用して各書類をフォルダに分類したりシステムから必要書類をダウンロードしたりできました。それらのファイルを文書管理システムに登録するところまで自動化を実現します。
従来は、従業員が手作業で紙の書類をスキャンしていたため、業務効率化とペーパーレス化に成功しました。
【事例3】複雑化した経理業務をアウトソーシング
<出典:WHITE CROSS株式会社>
WHITE CROSS株式会社は、歯科医師向けの情報サイトを運営する企業です。同社は、順調にサイト運営を行い、登録者数は右肩上がりで伸びていきました。しかし、それに伴って経理業務の負担も激増し、慢性的な人員不足に陥ります。
そこで、同社はアウトソーシングを導入しました。取引件数が2倍となったにもかかわらず、経理担当スタッフはそのままで、無理なく対応できています。
また、アウトソーシング企業から提案されることも多く、経理担当スタッフの教育にもつながっているそうです。
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i-STAFF(アイスタッフ)導入企業の評判・口コミは?料金・導入事例を紹介
改善を繰り返すことで業績アップにつながる
小さな会社は大企業に比べてフットワークが軽い傾向にあり、業務改善がスムーズに進みます。また、業務改善を成功させるためには、現状把握と目標設定が重要です。目標から逆算して行動計画に落とし込み、改善活動を進めましょう。
また、具体的な改善のポイントを知っておくことも重要です。ツールやアウトソーシングの活用が効果的ですが、従業員の改善意識が低い場合は教育も欠かせません。自社の課題をしっかりと把握し、効果的な改善を繰り返して業績アップにつなげましょう。
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