ジョブ型雇用とは?メリット・デメリットと導入事例を解説

ジョブ型雇用の導入は、企業の労働力を最大限に活用し、生産性を向上させる戦略の一つとなります。しかし、この取り組みは比較的新しいため、そのメリットや導入手順を理解していない企業や個人も多いでしょう。そこで、具体的なジョブ型雇用の導入事例を学ぶことがおすすめです。

しかし、

「ジョブ型雇用を導入したいが、具体的にイメージできない」

「ジョブ型雇用のメリットとデメリットを知りたい」

このようにお考えではありませんか。グローバル化が進む現代ビジネスで生存していくためにも、ジョブ型雇用の特徴を知っておきましょう。

そこで本記事では、下記をまとめました。

  • ジョブ型雇用が注目されている背景
  • ジョブ型雇用のメリット・デメリット
  • ジョブ型雇用の導入事例

ジョブ型雇用の導入を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。

なお、ジョブ型雇用は横断的に業務をこなすゼネラリストの採用には向いていません。幅広く業務に対応できる人材も必要なら、オンライン秘書・オンラインアシスタントサービス『i-STAFF』がおすすめです。

i-STAFFの詳細は下記よりご確認ください。

ジョブ型雇用とは?

ジョブ型雇用とは?

ジョブ型雇用はメンバーシップ型と呼ばれる従来の雇用と異なり、スキルや経験、知識を重視した雇用の形式です。採用された人材は、自身の能力を最大限に発揮できます。

一方、メンバーシップ型雇用では企業の一員として入社し、雇用側が適性や能力を判断・育成します。また、一度入社すれば、長期にわたって働き続けることが一般的です。

ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違いを表にまとめました。

比較点 ジョブ型雇用 メンバーシップ型雇用
採用の対象 スキルや経験、知識を持つ人材 企業文化に適応可能な人材
働き方 業務達成のために最適な働き方が推奨 長期にわたり一企業で働くことが前提
業務と人材の関係 業務ありきで人材を採用する 採用してから業務を与える
業務内容 専門的な業務 総合的な業務
転勤や配置転換 原則なし あり

ジョブ型雇用が注目されている背景

ジョブ型雇用が注目されている背景

ジョブ型雇用が注目されている背景は、下記のとおりです。

  • 経団連の提言
  • リモートワークの普及
  • 専門的なスキルを持つ人材の不足
  • 終身雇用の崩壊
  • 多様な働き方の浸透

現代では多様性のある働き方が浸透しつつあり、ジョブ型雇用は相性が良いとされています。ひとつずつ見ていきましょう。

【背景1】経団連の提言

2020年1月、経団連(日本経済団体連合会)がジョブ型雇用の導入を推奨し、大きな話題を呼びました。同時に、一部の大手企業がジョブ型雇用を導入し始める動きを見せています。

また、同時期に新型コロナウイルスの感染拡大が進行し、多様な働き方を求める動きを加速させる要因となったとも考えられます。これらの背景から、ジョブ型雇用は注目されるようになりました。

【背景2】リモートワークの普及

新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、リモートワークが急速に普及しました。働き方における柔軟性が増しましたが、一方で「働いている様子が見えず、評価が難しい」という課題も浮き彫りになりました。

ジョブ型雇用では職務や求める成果が明確に決められているため、リモートでも成果を計測しやすいという特徴があります。具体的には、従業員がどのような業務をどの程度進めているか、どの程度の品質で達成したかなどをもとに評価可能です。

【背景3】専門的なスキルを持つ人材の不足

社会の急激な変化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進行により、新規事業の開発や技術革新への対応が求められるようになりました。そのため、特定の専門知識やスキルを持つ人材の確保が、企業にとって重要です。

ジョブ型雇用は「職務・役割」に応じた雇用条件を提示するため、専門性の高い人材を確保できます。したがって、専門的なスキルを持つ人材が不足している現代社会において、ジョブ型雇用は大きな注目を浴びました。

【背景4】終身雇用の崩壊

経済のグローバル化が進むなかで、従来のメンバーシップ型雇用、特に終身雇用制度の存在が疑問視されるようになりました。

終身雇用制度や年功序列による賃金体系では、「能力が高い人」への対価が見合わない問題もあります。たとえば、自分の能力を十分に発揮して貢献したにもかかわらず、十分な報酬を得られないと感じる優秀な人材が企業から離れてしまうケースが考えられます。

一方で、ジョブ型雇用は役割や成果に応じた評価制度を採用しているため個々の能力やスキルを適切に評価し、報酬を得られるシステムを提供できます。優秀な人材を惹きつけて、長期的な確保も可能です。

【背景5】多様な働き方の浸透

近年は多様性のある働き方が求められるようになり、そのためにはジョブ型雇用が適しています。ジョブ型雇用では、本来定められた業務以外の業務を行う必要がないため、与えられた職務に専念できます。

たとえば、ITエンジニアやデザイナー、コンサルタントなどが最前線で活躍するためには専門的な知識やスキルが必要です。

また、ジョブ型雇用は、ワークライフバランスの向上にも役立ちます。定められた業務に専念することで、仕事とプライベートのメリハリをつけやすく、より良いパフォーマンスを発揮し続けられます。

ジョブ型雇用のメリット5つ

ジョブ型雇用のメリット5つ

ジョブ型雇用のメリットは、下記のとおりです。

  • 即戦力となる人材を採用できる
  • 専門的なスキルを持つ人材を育成できる
  • 業務効率化による生産性向上を見込める
  • 採用のミスマッチをなくし早期退職を防止できる
  • リモートワークに適している

ジョブ型雇用は、職務や役割が明確なため、リモートワークでも適正な評価を下せます。ひとつずつ見ていきましょう。

【メリット1】即戦力となる人材を採用できる

ジョブ型雇用を導入することで、即戦力となる人材を採用できます。求めるスキルや知識が明確になり、適した人材を見つけ出しやすいからです。

スキルや経験に基づいて人材を採用するため、新たに採用した従業員の教育期間を大幅に短縮できます。急成長している企業や人手が足りない企業にとって、特に大きなメリットです。

また、その人材がどの程度のパフォーマンスを発揮するかが明確になるため、業績評価もしやすくなり、人事評価の公平性も向上します。

【メリット2】専門的なスキルを持つ人材を育成できる

ジョブ型雇用では、専門的なスキルにフォーカスした育成が可能です。従来のメンバーシップ型雇用では幅広い業務知識が求められますが、ジョブ型雇用では専門的なスキルを持つ人材が求められます。

また、スキルが上がれば評価に直結するため、自発的な学習を促せます。自分から積極的に学ぼうとする姿勢は成長度が大きい傾向にあるので、スキルの高い人材を育成して企業の成長につなげましょう。

【メリット3】業務効率化による生産性向上を見込める

ジョブ型雇用の大きなメリットとして、業務効率化による生産性向上が見込まれます。その理由は、おもに下記の2つです。

  • 従業員の担当する仕事が明確になり、業務遂行能力が上がる
  • 専門的なスキルを持つ人材が多くなり、トラブル解決能力が上がる

ジョブ型雇用では職務範囲や責任が明確になるため、不要な業務が浮き彫りになり、業務効率化につながります。従業員一人ひとりが自分の役割に専念すると、全体としてのパフォーマンスも向上します。

【メリット4】採用のミスマッチをなくし早期退職を防止できる

ジョブ型雇用では、応募者が担当する職務内容と必要なスキルが明確化されています。そのため、雇用側と応募者双方が納得したうえで契約を結び、採用のミスマッチをなくせます。

採用のミスマッチがなくなれば、応募者が自分のキャリアプランにもとづいて適切な職務を選択できるため、長期的なキャリア形成が可能です。また、社員のモチベーション向上と定着率の向上が期待でき、事業の安定にもつながります。

【メリット5】リモートワークに適している

ジョブ型雇用は、リモートワークに向いています。ジョブ型雇用では業務遂行の基準が「成果」で、働く場所や時間が自由なリモートワークとの親和性が高いからです。

また、ジョブ型雇用では仕事の内容と成果が明確に対応づけられているため、部下の働き方を対面で見られない状況でも公平な評価を下せます。

ジョブ型雇用とリモートワークは互いに補完しあう関係性を持ち、現代の多様な働き方を求める環境に高い適応性を発揮します。

ジョブ型雇用のデメリット3つ

ジョブ型雇用のデメリット3つ

ジョブ型雇用のデメリットは、下記のとおりです。

  • ゼネラリストの育成には適していない
  • 柔軟な働き方が難しい
  • 人材確保が難しい

メンバーシップ型雇用が主流の日本では、専門性の高い人材の確保はまだまだ困難です。順番に見ていきましょう。

【デメリット1】ゼネラリストの育成には適していない

ジョブ型雇用ではスペシャリストの雇用・育成をするため、複数の分野に対応できるゼネラリストの育成には向いていません。そのため、組織がゼネラリストを必要とする場合、ジョブ型雇用の導入は向いていない可能性が高いです。

解決策として、たとえば、期間限定でほかの業務を経験させる方法が挙げられます。ただし、ジョブ型雇用の本質に反する恐れがあるため、慎重に検討しましょう。

【デメリット2】柔軟な働き方が難しい

ジョブ型雇用を導入すると、柔軟な働き方が困難になります。特定の業務や役割に従事することを前提としているため、基本的に業務内容や働く時間帯は自由に選べません。また、業務の専門性が高いため、転職や異動も難しいです。

ジョブ型雇用は一定の業務範囲と時間帯での働き方を求められることから、メンバーシップ型やフリーランスのような自由度の高い働き方と比べると、柔軟性においては劣るといえます。

【デメリット3】人材確保が難しい

ジョブ型雇用を導入するデメリットの一つは、専門性の高い人材の確保が難しいことです。必要とされる技術が高度だったり、そもそも人材が不足していたりするケースも多く、すぐに採用できるわけではありません。

ジョブ型雇用ではプロジェクトごとに人材を採用できますが、その一方でプロジェクトが短期間で終了してしまうと、その人材をさらに活用するのが困難になる可能性もあります。さらに、他社がより魅力的な募集をした場合には、優秀な人材を引き抜かれるリスクも存在します。

また、ジョブ型雇用は人材の確保が困難です。特に、中小企業やブランド力が未確立の企業では、応募者に対して自社の魅力を訴求することが重要です。

ジョブ型雇用の導入手順

ジョブ型雇用の導入手順

ジョブ型雇用の導入手順は、下記のとおりです。

  1. ジョブ型雇用の導入について社内に周知する
  2. 職務内容を決定する
  3. ジョブディスクリプションを作成する
  4. 給与を設定する
  5. ジョブディスクリプションをもとに評価制度を決定する
  6. ジョブディスクリプションや待遇を定期的に見直す

ジョブディスクリプションとは、採用する個々の職種について、

  • 具体的な職務内容
  • 必要なスキル
  • 経験
  • 知識

などを明確に定義した文書です。ジョブディスクリプションが明確であればあるほど、応募者は自身のスキルと仕事内容を照らし合わせて適性を判断しやすくなります。このようにジョブディスクリプションの作成は、適材適所の人材を採用し、その能力を最大限に活用するための重要なプロセスです。

ジョブ型雇用の導入事例

ジョブ型雇用の導入事例

株式会社日立製作所は、社会イノベーション事業を行うグローバル企業として約30万人の従業員とともに、国や地域を超えたチームで事業の推進を図っています。しかし、メンバーシップ型の雇用形態では、グローバル化に対応できないという問題が浮上しました。

そのため、同社は2020年からジョブ型雇用・採用の強化に取り組み、技術系職種では希望の事業分野への配属を確約するマッチングの仕組みを強化します。また、従業員それぞれの技能や経験、職務内容を考慮した待遇を可能としました。さらに「職種別採用コース」の新設など、個々のニーズに対応した採用を行うことで、従業員自身が主体的にキャリアを築ける環境を実現します。従業員が自ら能動的にキャリアを築くサポートを行い、仕事のやりがいや意味を持って働くことが可能となりました。

ジョブ型雇用を導入して高い労働力を確保しよう

ジョブ型雇用を導入して高い労働力を確保しよう

ジョブ型雇用は、即戦力となる人材の確保や専門的スキルの育成、採用のミスマッチ防止など高い労働力を確保できます。ゼネラリストの育成に難があったり流動的な働き方ができなかったりするデメリットはありますが、グローバル化や専門性の高い事業を始めるために重要です。

一方で、ゼネラリストの採用や流動的な働き方に対応したい場合は、オンライン秘書・オンラインアシスタントサービスがおすすめです。i-STAFFは、採用率1%の優秀なスタッフが、あらゆる業務に対応します。

i-STAFFの詳細は下記よりご確認ください。

また、下記の記事でi-STAFFの評判や口コミをまとめました。導入事例も紹介しているので、あわせてご覧ください。

i-STAFF(アイスタッフ)導入企業の評判・口コミは?料金・導入事例を紹介

オンラインで業務を
アウトソースするならi-Staff

こんな事でお困りでは御座いませんか?

・スタッフの雇用コストが高い・・
・雑務に追われてコア業務に集中が出来ない・・
・とにかく今すぐ業務を手伝って欲しい!

こんなお悩みがあれば、i-Staffで解決できるかも知れません!

【i-Staffが選ばれてる理由】

i-Staffは下記のような理由で多くのお客様にお選び頂いております。

1.全国から選ばれた採用率1%の優秀な人材が業務を対応
2.レスポンスが早くスピーディな業務対応
3.書類のスキャンなどオフライン業務も対応可
4.チーム制で対応する為退職リスクがない


業務をアウトソースする事でスマートな経営が可能になります。
ぜひこの機会にi-Staffの導入をご検討ください。