中小企業は育休・産休取得にどう対応すべき?人手不足の対処法を解説

中小企業は育休・産休取得にどう対応すべき?人手不足の対処法を解説

育休・産休の取得率は増加傾向にあり、今後も重要という見方が示されています。そこで、

「中小企業が育休・産休取得を推進するメリットは?」

「中小企業が育休・産休取得を推進するためにはどうしたらいい?」

このようにお考えではありませんか。特に、女性に比べて男性の取得率は低く、これを推進することで従業員の定着率向上が期待できます。

本記事では、下記をまとめました。

  • 中小企業が育休・産休取得を推進するメリット
  • 中小企業が育休・産休取得を推進するためのポイント
  • 中小企業が育休・産休取得による人手不足に対応する方法

育休・産休の取得率を上げて従業員満足度を上げたいとお考えの場合は、ぜひ最後までご覧ください。

なお、育休・産休取得後に人手不足となる場合は、オンライン秘書・オンラインアシスタントサービス『i-STAFF』がおすすめです。幅広い業務に対応できるため、育休・産休期間中の一時的なリソース不足を解消できます。

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中小企業の育休・産休取得率の現状

中小企業の育休・産休取得率の現状

育休・産休の取得率は、少しずつ上昇しています。特に男性の取得率が大きく上昇しており、厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」では女性の育休取得率が80.2%、男性が17.13%でした。さらに、翌年の「令和5年雇用均等基本調査」では、女性の取得率は84.1%、男性は30.1%へと上昇しています。

しかし、企業規模別に見ると、特に男性の育休取得率において大企業と中小企業の間には差が見られます。厚生労働省の「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」によると、従業員1,000人超の企業で働く男性の46.2%が育休を取得していました。

一方、従業員1,000人未満の企業を調査対象に含んだ「令和4年度雇用均等基本調査」では、令和2年から令和3年の男性育休取得率が17.13%でした。

大企業は代替要員の確保や制度運用のための人的リソースが豊富である一方、中小企業はリソースが限られているため、男性従業員の長期的な離脱に対応することが難しいとされます。

したがって、企業規模にかかわらず、すべての従業員が安心して育休を取得できるような対策が重要性を増しています。

中小企業が育休・産休取得を推進する4つのメリット

中小企業が育休・産休取得を推進する4つのメリット

中小企業が育休・産休取得を推進するメリットは、下記のとおりです。

  • 従業員満足度の向上を図れる
  • 業務効率化による生産性向上が期待できる
  • 企業のイメージアップにつながる
  • 採用力を強化できる

育休・産休をしっかりと取得できる企業は、求職者にとって魅力的な要素のひとつです。順番に見ていきましょう。

従業員満足度の向上を図れる

中小企業が育休・産休制度を充実させることは、従業員満足度の向上とモチベーションアップにつながります。近年の労働者は、ワークライフバランスを重視する傾向にあるからです。

企業が従業員のワークライフバランスに配慮することで、従業員の企業に対する信頼感や愛着心を高めます。特に、若年層の従業員にとって、育休・産休制度の充実は安心して働ける環境の指標となります。

育休・産休の取得を推進することで従業員満足度が向上し、仕事へのモチベーションアップにもつながるのです。

業務効率化による生産性向上が期待できる

育休・産休取得の推進は、業務効率化と生産性向上につながります。従業員が育休・産休を取得する際には一時的に人員が不足するため、企業は業務を見直さなくてはなりません。業務を見直すことで、生産性向上が可能です。

育休・産休は事前に取得時期がわかるため、業務分担の再検討や効率化を計画的に進められます。そのうえで、特定の人に依存していた業務が標準化されたり、無駄な作業工程が削減されたりするでしょう。

育休・産休取得者が復帰する頃には、より効率的な業務フローが整い、チーム全体の生産性向上が期待できます。

企業のイメージアップにつながる

育休・産休制度の取得率が上がると、企業のイメージアップに貢献します。子育て支援に積極的な企業であるという評価は、社会的に好印象を与えるからです。

具体的には、厚生労働省が認定する「くるみん認定」や「プラチナくるみん認定」の取得が挙げられます。これらの認定は「子育てサポート企業」であることの公的な証明となり、認定マークを広告や求人情報などに表示することで、企業のイメージアップが可能です。

特に、知名度が必ずしも高くない中小企業にとっては、企業の信頼性やブランド価値を高めるうえで有効な手段といえます。

採用力を強化できる

育休・産休制度の充実は、企業の採用力を強化します。従業員がしっかりと育休・産休を取得できる環境は、求職者にとっても魅力的です。近年では、女性だけではなく男性の求職者にも重要な要素として捉えられています。

優秀な人材の獲得競争が激化するなかで働きやすい環境を提供していることは、求職者にとって大切であり、採用におけるアドバンテージとなるのです。

中小企業の育休・産休取得に関する3つの課題

中小企業の育休・産休取得に関する3つの課題

育休・産休取得の推進は多くのメリットをもたらす一方で、まだまだ課題が残っています。下記のような課題を認識することが、効果的な対策を講じるために重要です。

  • 育休・産休の認識や理解が不足している
  • 属人化が育休・産休取得の壁になる
  • 人手不足に陥る

特に、育休・産休の認識や理解が不足している場合は、どのような対策も立てられません。順番に紹介します。

育休・産休の認識や理解が不足している

中小企業において育休・産休取得が進まない背景のひとつに、経営層や従業員間での育休に対する認識や理解の不足が挙げられます。制度自体は法律で定められていても、職場の雰囲気や上司・同僚の無理解が、従業員の育休取得をためらわせる要因となっているのです。

育休・産休取得後のキャリアパスや評価に対する不安を懸念する声もあります。さらに、一部の中小企業では、社内制度が十分に整備されていなかったり従業員への周知が徹底されていなかったりするケースも見られます。

育休・産休に対する認識や理解が不足し、制度が整っていない状況は、育休取得の障壁となっているのです。

属人化が育休・産休取得の壁になる

多くの中小企業は人的リソースが限られているため、担当者のみが業務を遂行する傾向にあります。ほかの従業員には業務の実態がわからなくなり、属人化が起こりやすくなります。業務の属人化が、育休・産休取得を妨げるケースがあるのです。

十分な引き継ぎがされないまま、担当者が育休・産休に入ると、業務が滞ってしまう恐れもあります。しっかりと引き継ぐ場合でも、資料の作成や引き継ぎに時間がかかり、一時的に生産性が低下する可能性もゼロではありません。

ほかの従業員は従来の業務に加えて対応する必要があるため、負担が集中し、業務の遅延や品質低下を招くリスクもあります。こうした状況が、育休・産休取得に対する抵抗感を生み出す要因となるのです。

人手不足に陥る

中小企業が育休・産休取得を推進する際に直面する課題のひとつが、人手不足です。多くの中小企業は、余剰人員を抱えずに少数精鋭で事業を運営しているため、一人の従業員が休暇を取得することで、大企業よりも大きな影響を与えます。

たとえば、5人のチームで1人が休業すれば戦力は単純計算で20%減少しますが、50人のチームであればその影響は2%減に過ぎません。人的リソースの制約が、育休取得をためらわせるのです。

中小企業が育休・産休取得を推進するためのポイント3つ

中小企業が育休・産休取得を推進するためのポイント3つ

中小企業が育休・産休取得を推進するためのポイントは、下記のとおりです。

  • 全従業員が育休について理解を深める
  • 相談できる体制を整える
  • 助成金を活用する

育休・産休の取得を推進するためには、従業員の心理的ハードルを取り払う必要があります。そのためには、気軽に相談できる体制の構築が重要です。ひとつずつ見ていきましょう。

全従業員が育休について理解を深める

中小企業で育休・産休を取得してもらうためには、まず全従業員が制度について正しく理解を深める必要があります。単に制度が存在するだけでは取得されない場合もあるため、利用しやすい職場の醸成が欠かせません。そのためには、経営層が自ら具体的な周知・啓発活動を進めましょう。

具体策として、就業規則や制度を整備し、資料として配布することが挙げられます。その際は、ハンドブックを活用し、従業員がいつでも情報を確認できるようにすることも有効です。

また、実際に育休・産休を取得した自社の事例を共有することでロールモデルを示し、取得に対する心理的ハードルの低下が期待できます。

相談できる体制を整える

育休・産休の取得を推進するためには、従業員が抱える疑問や不安を気軽に相談できる体制を整備することが重要です。制度が複雑であったり取得にあたって職場への影響を気にしたりなど、従業員は不安を感じることがあります。これらの不安を解消し、安心して取得できる環境を整えましょう。

また、管理職向けの研修も重要です。部下が育休を取得する際の適切なマネジメント方法やハラスメント防止策などを教育し、管理職自身の意識改革を促しましょう。

助成金を活用する

中小企業が育休・産休取得を推進するうえで、助成金を活用するのがおすすめです。

たとえば「両立支援等助成金」には4つのコースがあり、「出生児両立支援コース(子育てパパ支援助成金)では、男性が育休を取得することで支給されます。また、代替要員を確保した場合も助成金が支給されます。

また、「くるみん認定」を受けることで、両立支援等助成金の加算措置といったメリットを受けられる場合も多いです。助成金制度を積極的に活用し、育休・産休の取得を推進しましょう。

中小企業が育休・産休取得による人手不足に対応する3つの方法

中小企業が育休・産休取得による人手不足に対応する3つの方法

育休・産休取得の推進は企業にとってメリットがありますが、人手不足が懸念されます。そこで、人手不足に対応する具体的な方法を紹介します。

  • 業務を見直す
  • ツールを導入する
  • アウトソーシングを活用する

人手不足に対応するためには、まず業務を見直すことが重要です。普段はなかなか見直す機会がないため、実は不要な業務や統合できる業務がないか確認しましょう。

業務を見直す

育休・産休取得に伴う人手不足へ対応するための基本的な取り組みは、業務プロセスを見直し、効率化を図ることです。育休・産休取得を「業務見直しのチャンス」と捉え、組織全体の生産性向上につなげましょう。

たとえば、休暇に入る従業員の業務を洗い出し、その業務の必要性や優先順位を再検討します。不要な作業を削減したり、業務フロー全体を見直して重複作業の排除や工程の簡略化を進めたりします。

また、属人化を解消するために業務マニュアルを作成し、標準化を進めることも重要です。属人化を解消することで普段の突発的な欠勤にも対応でき、有給休暇も取得しやすくなります。

ツールを導入する

業務プロセスを見直したうえで、ITツールによる改善が見込める場合は導入を検討しましょう。特に、定型的な業務や手作業が多い業務を自動化することで、限られた人員でも業務をスムーズに進められます。

たとえば、RPA(Robotic Process Automation)を導入すれば、データ入力や書類作成といった繰り返しの多い作業を自動化できます。また、各種業務支援ツールやコミュニケーションツールを活用することで、情報共有の迅速化や業務進捗の可視化を強化できます。

ツールを導入することで従業員一人ひとりの負担を軽減し、コア業務に集中できる環境を整えましょう。

アウトソーシングを活用する

育休・産休取得による人手不足は、永続的ではなく一時的です。所定日数の休暇を取得したあとは復帰しますが、新しい人材を雇用しづらいということでもあります。

一時的な人手不足に対応する場合は、アウトソーシングの活用がおすすめです。アウトソーシングは一般的に、必要な期間だけ業務を委託できます。さらに、その業務に対して知識やスキルを持っている場合が多いため、教育にかかる期間も最小限です。

たとえば、i-STAFFでは経理業務や人事業務などのバックオフィス全般に対応しています。それぞれ得意とするスタッフがアサインされるため、顧客にとってスキル面での心配はいりません。

アウトソーシングを積極的に活用し、人手不足の状況を乗り切りましょう。

 

下記の記事でi-STAFFの評判と口コミを紹介しています。あわせてご覧ください。

i-STAFF(アイスタッフ)導入企業の評判・口コミは?料金・導入事例を紹介

アウトソーシングに関して詳しくは以下の記事をご覧ください。

アウトソーシングとは?メリット・デメリットや人材派遣との違いを簡単に解説

育休・産休取得を推進し従業員の定着率を上げよう

育休・産休取得を推進し従業員の定着率を上げよう

中小企業における育休・産休取得の推進は、従業員の満足度を高める重要な経営戦略です。特に重要なのは、経営層が積極的に育休・産休取得を進めることです。育休・産休取得を推進するためには、全従業員の理解を得なければなりません。

育休・産休の高い取得率は、魅力的な企業としてイメージアップにもつながります。働きやすい職場を作り、従業員の定着率向上を目指しましょう。

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