コストダウンの方法とは?コスト削減に成功した事例をもとに解説
事業を成長させるためには、売上向上を目指したうえで、コストダウンを図る必要があります。そこで、
「削減するべきコストとは?」
「コストダウンの具体的な方法を知りたい」
このようにお考えではありませんか。
売上が好調でも無駄なコストがかかっていれば、利益は小さくなってしまいます。売上向上とコストダウンを別々に考えるのではなく、並行して進めることが重要です。
そこで本記事では、下記を紹介します。
- コストダウンに成功した事例
- 具体的なコストダウンの方法6つ
- コストダウンの手順
コストダウンを成功させてさらなる事業成長をお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。
なお、コストダウンする方法のひとつに、業務のアウトソーシングが挙げられます。オンライン秘書・オンラインアシスタントサービス『i-STAFF』は、幅広い業務のアウトソーシングが可能です。
i-STAFFの詳細は、下記から資料をダウンロードのうえご確認ください。
目次
コストダウンとは?
コストダウンは経費削減とも言われ、事業運営で必要な支出を減らすことです。コストダウンを図ることで利益向上につながり、さらなる事業の成長を目指せます。
売上を上げることでも利益向上につながりますが、売上を上げるためには顧客に商品やサービスを購入してもらう必要があり、自社のみで実現することはできません。一方で、コストダウンは自社の管理なので、コントロールが可能です。
自社のみで完結できるため、施策も実行しやすく、効果も分かりやすいといえます。したがって、売上向上に最大限努力しつつも、コストダウンを図ることが重要なのです。
企業にかかるコスト4つ
企業には多種多様なコストがありますが、大きく下記の4つに分けられます。
- 人件費
- 採用コスト
- オフィスのランニングコスト
- 設備・備品にかかる費用
コストダウンを図るうえで、取り組みやすいのが人件費です。ただし、人件費をむやみに削減すると、事業運営を妨げる恐れもあります。順番にみていきましょう。
【コスト1】人件費
人件費は、従業員に関連するすべての費用です。毎月の給与だけではなく、下記の費用も人件費として考えられます。
- 賞与
- 福利厚生費
- 退職金の積み立て
- 残業代
- 休日出勤の割増
コストダウンするために「人件費を削減!」はよく聞く話ですが、給与や賞与のカットばかりがコストダウンではありません。残業や休日出勤がなくなるように業務効率化を実現したり、出勤しなくてもできる業務をオンラインに切り替えたりしてコストダウンを図りましょう。
なお、人件費を削減する場合は、人件費率の考え方が重要です。下記の記事で詳しく解説しているため、人件費についてお悩みの方はぜひご一読ください。
【コスト2】採用コスト
採用コストは、従業員の採用に関連する費用で、おもに下記の費用が考えられます。
- 求人媒体への情報掲載費
- 説明会などの会場利用費
- 面接官や説明会担当者の人件費
人をひとり採用することは、大きなコストと手間がかかります。採用コストをかけないためには、採用しなくても事業の運営ができる状況、つまり従業員の定着率が重要です。
従業員満足度の高い環境を構築して、採用コストの削減を実現しましょう。
【コスト3】オフィスのランニングコスト
オフィスを継続して使用するためには、ランニングコストが発生します。たとえば、下記の費用が考えられます。
- オフィスの賃料
- 水道・光熱費
おもに固定費として扱われるため、簡単にコストダウンできない費用です。しかし、コストダウンできたときの効果が大きいため、オフィスの移転や電力自由化などを活用して見直しから始めてみることをおすすめします。
【コスト4】設備・備品にかかる費用
設備や備品にかかる費用も、大きくなりがちです。たとえば、デスクやPCなどが挙げられます。
特に、PCを始めとするIT機器は進化が早く、すぐに新モデルが販売されます。場合によっては買い換えが必要ですが、費用がかさむため、その都度購入するわけにはいきません。
使用されていないものを再活用したり、リースやレンタルを活用したりすることで、コストダウンにつながります。
コストダウンに成功した事例2つ
コストダウンに成功した事例を2つ紹介します。
- 雑務をアウトソーシングして月30時間以上の人件費を削減
- ペーパーレス化を導入して年間14億円の経費を削減
それぞれの概要を簡単に確認しましょう。
【事例1】雑務をアウトソーシングして月30時間以上の人件費を削減
<出典:株式会社コンテンツラボ>
株式会社コンテンツラボは、海外在住の日本人起業家を専門にオンラインを活用したコンサルティングや支援サービスを行っている企業です。株式会社コンテンツラボの代表取締役、河野竜夫氏は雑務に追われてコア業務に集中できませんでした。
そのため、オンライン秘書・オンラインアシスタントサービス『i-STAFF』に業務をアウトソーシングします。雑務に使用していた月30時間以上のリソースを確保し、コストダウンを実現しました。また、コア業務への集中も達成でき、新規クライアントの増加につながっています。
i-STAFFは無料トライアル期間や返金保証もあるため、気軽に利用可能です。まず試してみて、どのような効果が得られるのか確認することをおすすめします。
i-STAFFの詳細は、下記からご確認ください。
【事例2】ペーパーレス化を導入して年間14億円の経費を削減
<出典:株式会社セブン-イレブン・ジャパン>
株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、コンビニ「セブンイレブン」を運営する企業です。株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは消耗品の削減のために、伝票や帳票類のペーパーレス化を実施しました。
全国に20,000店を超える店舗を展開するコンビニなだけあって、取り扱う伝票や帳票類は2億枚以上あり、用紙代や保管のコストがかかっていました。そこで、コストダウンを図るために、会計システムを導入します。
伝票や帳票類をペーパーレス化し、年間にして14億円ものコストダウンに成功しました。
コストダウンの方法6つ
コストダウンの方法は多種多様で、下記の方法がよく用いられます。
- 業務をアウトソーシングして人件費を削減
- 節水・節電でライフラインのコストを削減
- 備品を見直して消耗品コストを削減
- 働きやすい環境づくりで採用コストを削減
- 移動や出張を見直して交通費・出張費を削減
- オフィスを見直して固定費を削減
ひとつずつみていきましょう。
【方法1】業務をアウトソーシングして人件費を削減
業務をアウトソーシングすると従業員の負担が軽減され、人件費の削減につながります。従業員の業務負担が大きく、残業や休日出勤で対応している場合は、無駄な費用が発生しているかもしれません。
また、アウトソーシングすることで残業や休日出勤を削減できるだけではなく、従来の業務にかけていた時間も短縮できます。そのため、空いた時間でコア業務に集中でき、売上の向上につながる可能性もあります。ただし、当然ながらアウトソーシングには費用がかかるため、アウトソーシング費用と残業や休日出勤にかかる費用のバランスが重要です。
一般的にはアウトソーシングしたほうが費用を抑えられるため、費用対効果を優先して検討しましょう。
アウトソーシングについては以下の記事でも紹介しているため、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
アウトソーシングとは?メリット・デメリットや人材派遣との違いを簡単に解説
【方法2】節水・節電でライフラインのコストを削減
普段使用している水道や電力を節約することで、コストの削減が可能です。水道や電力は何気なく、当たり前のように使用しています。そのため、従業員にとっては節水や節電がコストダウンにつながると認識しづらい場合があります。
よく利用される節約の方法は、下記の方法です。
- 水を出しっぱなしにしない
- エアコンの設定温度を影響のない範囲で調節する
- 蛍光灯や電球の間引き
また、電力自由化によって電力会社を選べるようになりました。電力会社を見直すと大きな効果が出る場合もあるため、根本的に変更することもおすすめです。
【方法3】備品を見直して消耗品コストを削減
企業では、数え切れないほど大量の消耗品を取り扱います。消耗品の必要数を最適化し、無駄な発注を抑えることでコストダウンが可能です。
特に、部門ごとに発注できる場合は部門の間で消耗品の数を把握できず、ほかの部門に在庫があるにもかかわらず発注してしまう場合もあります。できる限り発注する部門を統一し、在庫の見える化を図れば不要な在庫を抱えません。
単価が安いためひとつひとつの効果は大きくありませんが、消耗品の在庫管理が簡単になれば人件費の節約にもつながります。
備品管理の方法は以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
【方法4】働きやすい環境づくりで採用コストを削減
働きやすい環境をつくることで、採用コストを削減できます。採用コストを削減するためには従業員の定着率を上げ、退職者を出さないことが重要です。
従業員が「この企業でずっと働きたい」と感じるような魅力を作りましょう。たとえば、下記の方法があります。
- 福利厚生の充実
- スキルアップの支援
- 休暇取得の推進
従業員の定着率が上がれば採用コストを削減できるほか、従業員のベテラン化によって教育コストもかからなくなります。運営に余裕がでれば、新事業の展開も可能です。
【方法5】移動や出張を見直して交通費・出張費を削減
交通費や出張費などの移動に関連する費用は無駄と考える企業も多く、大きな負担となっている場合は見直しも必要です。移動そのものは非生産的な行動なので、削減しようとするケースもみられます。
拠点間の移動や必要性のない出張は、率先して削減すべきです。出勤そのものを減らすことは難しいのですが、インターネット技術が発展した現代ではWeb会議ツールを使ってテレワークやオンラインミーティングも簡単にできるようになりました。
「削減できないもの」と決めてかかるのではなく、効果的な方法がないか模索することも重要です。
【方法6】オフィスを見直して固定費を削減
オフィス自体を見直すことで、賃料の削減につながります。賃料は高額な場合が多く、安価な物件に移転するだけで大幅なコストダウンが可能です。
オフィスの場所を変えれば、従業員の通勤や来客に影響が出る可能性もありますが、Web会議ツールを活用することで影響を小さくできます。
オフィスの見直しは簡単に実行できる内容ではありませんが、高い効果を見込めるため、オフィスの賃料に悩んでいる場合は検討してみましょう。
コストダウンの手順
コストダウンを実現するためには、下記の手順を参考にすると効率的に進められます。
- 現状の課題を洗い出す
- 目標を設定する
- コストダウンのプランを実行する
- 結果を分析して、改善する
まずは現状の業務で、何にコストがかかっているのか洗い出しましょう。
その次に、仮説を立てて目標を設定します。目標は、仮説に基づいた具体的な数値目標を設定すると、達成具合がわかりやすいです。
目標が設定できたら、コストダウンのプランを立てて、実行に移します。プランは長期的になる場合が一般的なので、従業員に負担がかからないような無理のないスケジュールを組みましょう。
プランを実行し終わったら、結果を分析し、必要がある場合は改善します。目標を達成できた場合は同様のプランをほかの業務に横展開したり、目標を達成できなかった場合はさらなるプランを検討したりしましょう。
コストダウンに限らず、事業の成長のために、常に改善意識をもって取り組むことが重要です。
コストダウンを行う際の注意点4つ
コストダウンを行う場合は、下記のポイントに注意しましょう。
- 品質の低下に注意する
- プランに優先度をつける
- 従業員のモチベーションダウンに注意する
- 必要なコストまで削減しない
特に、安易な人件費の削減は従業員のモチベーションダウンにつながり、事業の運営にまで影響が出かねません。順番にみていきましょう。
【注意点1】品質の低下に注意する
コストダウンを図るうえで注意しなければならない点は、品質の低下です。設備投資や材料費など、商品やサービスに直接関わる部分の経費を削減すると、品質に影響する恐れがあります。
たとえば顧客管理をソフトからエクセルにした場合は、ソフトの運用費用を削減できますが、手作業による管理になると品質低下を招きかねません。
品質が低下すると、顧客の信頼を失ってしまいます。コストダウンを図る前に、品質にどのような影響がでるのかしっかりと検討したうえでプランを実行しましょう。
【注意点2】プランに優先度をつける
コストダウンのプランはいくつか思いつくかもしれませんが、適当な順番で実行してはいけません。プランには難易度や見込める効果に違いがあり、取り組みやすいものから実行すべきです。
たとえば、コピー用紙の使用頻度を抑えるよりも、残業を1時間少なくできる施策を優先したほうが大きな効果を見込めます。また、難易度によっては長期的、かつ計画的に実行しなければなりません。
どのプランを優先的に行うか、しっかりと見極めましょう。
【注意点3】従業員のモチベーションダウンに注意する
コストダウンにとらわれすぎると、従業員のモチベーションダウンにつながる恐れがあります。コストダウンで注目されるのは人件費で、従業員の待遇に影響する場合も多いです。
よく人件費削減で用いられる施策は、下記のとおりです。
- 給与カット
- 福利厚生のカット
- コストダウンの施策を進めるうえで従業員の負担増
従業員のモチベーションダウンは、生産性や売上の低下につながりかねません。コストダウンのプランが従業員にどのような影響をもたらすのか、検討しましょう。
【注意点4】必要なコストまで削減しない
コストダウンが目的になってしまうと、必要以上に経費を削減する場合があります。コストダウンは、あくまで利益向上のための手段で、目的ではありません。
事業成長のために、企業に与える最終的な影響を常に意識し、コストをかけるべきところはコストをかける必要があります。
たとえば、従業員の負担を無視したプランを実行すれば、離職率が上がってしまいます。一時的にコストダウンに成功しても、採用コストが上がってしまえば意味がありません。
コストダウンは、企業全体が取り組まなくてはならない問題です。一部の従業員や部署だけに負担をかけないように、効果や方法をしっかりと確認しましょう。
適切なコストダウンを実施して利益向上を目指す
コストダウンとは経費を削減することで、目的は利益の向上です。特に、人件費が対象に上がりやすいですが、オフィスの賃料や電気代などの固定費を削減できると高い効果を見込めます。
注意したいことは、コストダウンが目的になってしまい、品質低下や必要なコストの削減をしてしまうことです。また、従業員の負担を考慮しないプランは、モチベーションダウンにつながります。
そのため、従業員の負担や費用対効果を考慮した適切なプランを実施することで、利益向上と企業の成長を実現しましょう。
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