会計ソフトを乗り換えるタイミングはいつが最適?手順と移行時の注意点を解説

会計ソフトは企業の経理業務を支える重要なツールです。そのため、法改正の対応や業務効率化の必要性を感じたら乗り換えを検討しましょう。
しかし、会計ソフトの乗り換えでタイミングを間違えたり準備不足のまま進めたりすると、経理業務に大きな支障をきたす恐れがあります。
本記事では、下記をまとめました。
- 会計ソフトを乗り換える最適なタイミング
- 乗り換え前に確認すべきポイントと具体的な手順
- データ移行時の注意点
現在の会計ソフトに使いづらさを感じている方や法改正の対応で乗り換えを検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
なお、会計ソフトの乗り換えやその後の経理業務に不安がある場合は、オンライン秘書・オンラインアシスタントサービス『i-STAFF』がおすすめです。i-STAFFは、会計ソフトの導入支援から日々の記帳代行まで、経理のプロが幅広くサポートします。
i-STAFFの詳細は、下記よりご確認ください。
目次
会計ソフトを乗り換えるタイミングはいつが最適?

会計ソフトを乗り換えるのに最適なタイミングは、下記の3つです。
- 決算や確定申告が終わった後
- 新しい会計年度が始まるタイミング
- 消費税改正や制度変更の前後
それぞれのタイミングについて、なぜ最適なのかを詳しく解説します。
決算や確定申告が終わった後
おすすめタイミングのひとつは、決算や確定申告が終わったあとです。この時期は一年の会計処理が確定し、次の決算に向けた準備期間となるため、経理担当者の業務負担が比較的軽くなります。
決算が終わっていれば、旧ソフトでのデータ処理は完了しています。そのため、新しいソフトには「確定済みの過去データ」を残しつつ、新年度のデータから入力を開始するという運用が可能です。データの区切りが明確になるため、移行作業もスムーズに進められます。
新しい会計年度が始まるタイミング
新しい会計年度が始まるタイミングにあわせて新しいソフトを使い始めるのも、効率的な方法です。期の途中での乗り換えは期首から移行日までの仕訳データをすべて移行する必要がありますが、期首からの利用であれば、基本的に「開始残高」の登録だけで済みます。
データ移行の手間を最小限に抑えられるため、移行ミスによるトラブルのリスクも低減可能です。また、心機一転して新しいシステムでスタートできるため、社内の運用ルールを変更するよい機会にもなります。
消費税改正や制度変更の前後
インボイス制度や電子帳簿保存法など、法改正や制度変更があるタイミングも乗り換えの良いタイミングです。古い会計ソフトやインストール型のソフトでは、法改正に対応するために高額なバージョンアップ費用が発生したり、そもそも対応できなかったりする場合があります。
クラウド型の会計ソフトであれば、法改正にあわせて自動的にアップデートされるものが多いため、制度変更への対応コストを抑えられます。
会計ソフトを乗り換える前に確認しておくべきこと

会計ソフトを乗り換える前に確認しておくべきポイントは、下記の7つです。
- 必要な機能が新しいソフトにあるか
- 現在使用しているソフトと互換性があるか
- 業務の手間を減らせるか
- サポート体制がしっかりしているか
- コストパフォーマンスがよいか
- 他のサービスとの連携ができるか
- 無料お試し版があるか
上記のポイントをしっかりチェックし、自社に最適なソフトを選びましょう。
必要な機能が新しいソフトにあるか
自社の業務に必要な機能が新しい会計ソフトに備わっているかを確認しましょう。手形管理や固定資産管理など、特定の業務フローが現行ソフトと同じように実施できるかも重要です。
機能一覧表を確認するだけでなく、実際の業務フローと照らしあわせて不足がないかを見極めます。
現在使用しているソフトと互換性があるか
現在使用しているソフトからデータをスムーズに移行できるかどうかも重要なポイントです。多くの会計ソフトには、他社ソフトからのデータインポート機能が備わっていますが、対応しているフォーマットや移行できるデータの種類は異なります。
勘定科目コードの体系や補助科目の設定など、現状のデータ構造を維持したまま移行できるかを確認しましょう。互換性が低いと、データの加工や修正に時間がかかり、乗り換えのメリットが薄れてしまいます。
業務の手間を減らせるか
会計ソフトを乗り換えたあと、業務効率化を実現できるかどうか確認しましょう。新しいソフトを導入しても、手間や工数が増えてしまっては意味がありません。
たとえば、銀行明細やクレジットカードの利用履歴を自動で取り込み、AIが自動で仕訳を提案してくれる機能などの精度を確認します。自動化機能が充実していれば、入力ミスを減らすだけでなく、経理担当者のリソースをより付加価値の高い業務に使用できます。
サポート体制がしっかりしているか
操作方法がわからないときやトラブルが発生したときに、頼れるサポート体制があるかが重要です。特に、乗り換え直後は不明点が多くなるため、迅速なサポートが求められます。
電話でのサポートが可能か、チャットやメールでの対応時間はどれくらいかを確認しましょう。また、導入時の設定代行やデータ移行支援などに対応してくれるかどうかも、スムーズな導入のために確認しておくのがおすすめです。
コストパフォーマンスがよいか
導入費用だけでなく、ランニングコストも含めたトータルの費用対効果を比較しましょう。インストール型は、初期費用が高いもののランニングコストは抑えられます。しかし、数年ごとの買い替えが必要です。
一方、クラウド型は初期費用が安い反面、月額または年額の利用料が発生し続けます。ただし、一定額で長期間使い続けられるため、予算管理が比較的簡単です。
利用人数や必要なオプション機能によっても費用は変動するため、長期的な視点でコストをシミュレーションすることをおすすめします。
他のサービスとの連携ができるか
会計ソフト単体だけでなく、ほかの業務システムとの連携が可能かも重要です。
- 給与計算ソフト
- 経費精算システム
- 請求書発行サービス
- POSレジ
などと連携できれば、データ入力の手間を削減可能です。
特に、API連携に対応しているサービスであれば、リアルタイムでのデータ共有が可能になります。結果として、経営判断のスピードアップにもつながります。
無料お試し版があるか
カタログやWebサイトの情報だけでは、実際の操作感はわかりません。無料お試し版が用意されている会計ソフトの場合は、実際に触って操作してみましょう。
その際は、必ず実際に触る担当者に確認してもらいます。具体的には、画面の見やすさや入力のしやすさ、動作の軽快さなどです。テストデータを入力して、ひと通りの業務フローを試してみることで、導入後のミスマッチを防げます。
会計ソフトの乗り換え手順

会計ソフトの乗り換え手順は、下記の4ステップです。
- 今のソフトからデータをエクスポートする
- 新しいソフトにデータをインポートする
- 初期設定を行う
- テスト入力で正しく動作するか確認する
各ステップを具体的に解説するので、計画的に乗り換えを進めましょう。
1.今のソフトからデータをエクスポートする
まずは、現在使用している会計ソフトから必要なデータをエクスポートします。移行に必要なデータには、勘定科目や取引先のデータと過去の仕訳記録などがあります。
一般的には、CSV形式やExcel形式で出力します。この際、出力したデータは移行用としてだけでなく、旧システムのバックアップとしても重要になるため、稼働サーバーとは別のデータサーバーやクラウドサーバーなどに保管するのがおすすめです。
2.新しいソフトにデータをインポートする
次に、書き出したデータを新しい会計ソフトにインポートします。その際は、エクスポートしたデータ形式をそのままインポートできるか確認しましょう。そのままのデータをインポートできない場合は、新ソフトの仕様にあわせてデータの並び順を変えたり文字コードを変換したりする「データ加工」が必要です。
もしも手作業でのデータ移行が必要な場合は、慎重に行いましょう。手間はかかりますが、正確なデータを入力しなければ正しい会計処理が困難です。
3.初期設定を行う
データの取り込みができたら、新しいソフトで自社にあわせた初期設定を行います。会社名や住所などの基本情報に加え、決算期や消費税の経理方式、端数処理の方法などを設定します。会計ソフトによって設定方法や項目が異なるため、必要に応じてサポートの力を借りるのも重要です。
特に消費税の設定や開始残高の登録は、決算数値に直結する重要な項目です。前期末の貸借対照表と新ソフトの開始残高が一致しているか、入念に確認しましょう。
4.テスト入力で正しく動作するか確認する
本稼働を始める前に、必ずテスト入力を行い、正しく動作するかを確認します。可能であれば、一定期間、旧ソフトと新ソフトを並行運用するのがおすすめです。両方の会計ソフトに同じ取引を入力し、試算表の結果が一致するかを検証しましょう。
銀行口座連携や請求書発行などの機能も実際に試し、業務フローに問題がないかを確認します。問題がなければ、正式に新ソフトへの切り替えを行います。ただし、その分コストがかかるため、並行運用する期間はしっかりと定めておきましょう。
会計ソフトを乗り換えるときのデータ移行の注意点

会計ソフトを乗り換えるときは、下記のポイントに注意してください。
- CSV形式など対応フォーマットを確認する
- 残高や科目のズレがないか必ずチェックする
- 仕訳データは期間ごとに分けて保存しておく
- バックアップを取ってから移行作業をする
これらのポイントを押さえて、安全に移行作業を進めましょう。
CSV形式など対応フォーマットを確認する
CSVファイルはシンプルなテキストデータですが、ソフトによって読み取れる形式が異なります。たとえば、旧ソフトの出力形式が「Shift-JIS形式」で新ソフトでは「UTF-8形式」しか受け付けない場合、そのまま取り込むと文字化けを起こす可能性が高いです。
また、日付の形式や金額の桁区切りの有無なども確認が必要です。新ソフトのインポート用テンプレートがある場合はダウンロードし、その形式にあわせてデータを整えましょう。
残高や科目のズレがないか必ずチェックする
データの取り込み後は、必ず旧ソフトと新ソフトのデータを照合します。特に、勘定科目ごとの残高が1円単位で一致しているかを確認します。
もしズレがある場合、インポート時にエラーが発生して一部のデータが取り込まれていなかったり、消費税の計算方法の違いで誤差が生じていたりする可能性があります。早急に原因を特定し、修正してから本格的な運用を開始しましょう。
仕訳データは期間ごとに分けて保存しておく
過去数年分の仕訳データを一度にまとめてインポートしようとすると、データ容量が大きすぎてエラーになったり、処理に時間がかかりすぎてタイムアウトしたりする可能性があります。
リスクを分散するためにも、データは「1年ごと」や「1ヶ月ごと」など期間を区切ってファイルを作成し、順番に取り込むのがおすすめです。もしエラーが出ても、どの期間のデータに問題があるのかを特定しやすくなります。
バックアップを取ってから移行作業をする
移行作業中は、操作ミスでデータを消してしまったり上書きしてしまったりするリスクがあります。作業を始める前には、必ずデータのバックアップを取り、別の場所に保存しておきましょう。
また、データを加工する際も元のデータを直接編集するのではなく、コピーしたファイルで作業します。システム移行にはリスクが伴うため、いつでも元の状態に戻れることが重要です。
会計ソフトの乗り換えならi-STAFFにお任せください

会計ソフトの乗り換えは、事前の準備からデータの移行、初期設定まで多くの専門知識と手間が必要です。通常業務をやりつつ移行作業まで実施すると、リソース不足に陥りかねません。そのうえ、ミスが発生する可能性も高まり、データ移行に失敗して決算に影響が出る恐れもあります。
そのようなリスクを確実に避けたい場合は、オンライン秘書・オンラインアシスタントサービス『i-STAFF』にお任せください。i-STAFFには、採用率1%の狭き門を突破した実務経験豊富なスタッフが多数在籍しています。顧客の状況にあわせて、丁寧でスピーディな業務を提供します。
i-STAFFの特徴は、下記のとおりです。
- クラウドツールの導入サポート
- 記帳業務や請求書作成業務などを代行
- 安心の返金保証
i-STAFFを活用することで、会計ソフトの乗り換えにかかる手間とリスクを最小限に抑え、スムーズに新しい環境へ移行できます。返金保証とお試しプランもあるため、業務品質を確認したい場合でもお気軽にご相談ください。
なお、下記の記事でi-STAFFの詳細を紹介しています。口コミや料金などを知りたい場合は、こちらもお読みください。
会計ソフトを乗り換える際によくある質問

会計ソフトの乗り換えに関して、よく寄せられる質問に回答します。
- クラウド型とインストール型、どちらの会計ソフトに乗り換えるべき?
- 会計ソフトは何年使える?
疑問を解消して、納得のいく乗り換えを行いましょう。
クラウド型とインストール型、どちらの会計ソフトに乗り換えるべき?
基本的にはクラウド型がおすすめです。
クラウド型はインターネット環境があれば場所を選ばず利用でき、法改正にも自動で対応するため、常に最新の状態で利用できます。
一方、インストール型はインターネット環境が不安定な場所でも動作が速く、ランニングコストを抑えられる場合があります。しかし、法改正のたびにバージョンアップ版の購入やインストール作業が必要です。
会計ソフトは何年使える?
クラウド型の会計ソフトは、契約を継続している限り常に最新版が提供されるため、ソフトが古くなって使えなくなることはありません。そのため、半永久的に使用できると言えます。
一方、インストール型の会計ソフトはメーカーのサポート期間が終了するまでが使用でき、一般的には3〜5年程度と言われています。その後は法改正に対応できなくなるため、買い替えが必要です。
スムーズに会計ソフトを乗り換えて経理業務を効率化しよう

会計ソフトの乗り換えは、経理業務の効率化につながります。最適なタイミングを見極め、事前の確認と準備をしっかりと行うことで、移行のリスクを最小限に抑えましょう。
新しい会計ソフトの便利な機能を活用すれば、入力作業の手間が減り、より正確でスピーディな経営判断が可能となります。古いシステムを使い続けることによるリスクや手間を減らし、自社にあった新しい環境へとステップアップするのがおすすめです。
乗り換える会計ソフトを探している方は、以下の記事で選び方とおすすめを紹介しているので、あわせてご覧ください。
オンラインで業務を
アウトソースするならi-Staff
こんな事でお困りでは御座いませんか?
・スタッフの雇用コストが高い・・
・雑務に追われてコア業務に集中が出来ない・・
・とにかく今すぐ業務を手伝って欲しい!
こんなお悩みがあれば、i-Staffで解決できるかも知れません!
【i-Staffが選ばれてる理由】
i-Staffは下記のような理由で多くのお客様にお選び頂いております。
1.全国から選ばれた採用率1%の優秀な人材が業務を対応
2.レスポンスが早くスピーディな業務対応
3.書類のスキャンなどオフライン業務も対応可
4.チーム制で対応する為退職リスクがない
業務をアウトソースする事でスマートな経営が可能になります。
ぜひこの機会にi-Staffの導入をご検討ください。



