社員が退職する際に引き継ぎする後任がいない場合の対処法

社員が退職する際に引き継ぎする後任がいない場合の対処法

社員から突然、退職を告げられた場合、後任がいなくて引き継ぎが難しいケースもあります。そこで、

「後任が見つかるまで退職を延期してもらうことはできる?」

「引き継ぎする後任がいない場合、どう対処すればいい?」

このようにお考えではありませんか。後任がいないまま社員が退職すると業務が滞る恐れもあるため、できる限りの対策を講じなければなりません。

そこで本記事では、下記を紹介します。

  • 社員から退職を告げられた際に会社がやるべきこと
  • 引き継ぎする後任がいない場合の対処法
  • 社員が退職しないためにできること

突然の退職に的確な対応をとり、安定した企業活動を行うためにも、ぜひ最後までお読みください。

なお、後任が不在の場合は、アウトソーシングがおすすめです。オンライン秘書・オンラインアシスタントサービス『i-STAFF』なら、バックオフィス業務全般をプロが対応するため、即戦力として貢献します。i-STAFFの詳細は、下記よりご確認ください。

 

社員から退職を告げられた際に会社がやるべきこと

社員から退職を告げられた際に会社がやるべきこと

社員から退職を告げられた場合、会社がやるべきことは下記のとおりです。

  • 退職者と面談を行う
  • 退職のスケジュールを調整する
  • 緊急の人員配置計画を立てる

退職者との面談では、退職理由をヒアリングしましょう。職場環境や業務内容に改善点があれば、できる限り早めに対応するのがおすすめです。順番に紹介します。

1.退職者と面談を行う

社員から退職の申し出があった場合、まずは面談し、説得を試みることが大切です。ただし、無理な説得は逆効果になる可能性があるため、慎重に対応しましょう。

面談のポイントは、下記のとおりです。

  • 退職理由を丁寧に聞き取る
  • 会社側で改善できる点はないか検討する
  • 社員の価値を認め、引き留める意思を伝える

退職理由をヒアリングすることで、会社の課題が明らかになる場合もあります。この機会を活かし、組織の改善につなげましょう。

しかし、すでに転職先が決まっている場合も多いため、過度な期待は禁物です。説得が難しい場合は、円満な退職に向けて協力しましょう。

このように、説得を試みつつも、社員の意思を尊重する姿勢が重要です。

2.退職のスケジュールを調整する

手続きを円滑に進めるために、下記のような退職のスケジュールを調整しましょう。

  • 退職日の確定
  • 有給休暇の消化

退職日は通常、退職届の提出から2週間後ですが、会社の規定や退職者の事情に応じて調整が必要な場合もあります。また、退職者の有給休暇が残っている場合は、退職者の希望を聞きつつ業務に支障が出ないよう調整しましょう。

会社側の都合ばかりを反映するのではなく、退職者としっかり話し合うことが重要です。

3.緊急の人員配置計画を立てる

退職者の業務を滞りなく進めるため、緊急の人員配置計画を立てなければなりません。退職者の在籍中に、下記の対応を行いましょう。

  • 業務の洗い出し
  • 社内リソースの確認
  • 暫定的な業務分担の決定

退職者の業務を洗い出し、円滑な業務移行を図ります。計画立案の際は、現場の管理職や人事部門と連携し、実現可能な案を作成しましょう。

また、暫定的な対応であることを明確にし、長期的な人員計画も並行して検討を始めるのがおすすめです。

社員が退職する際に引き継ぎが重要な3つの理由

社員が退職する際に引き継ぎが重要な3つの理由

社員が退職する際、引き継ぎは非常に重要です。その理由として、下記の3つが挙げられます。

  • 業務の継続性を確保する
  • 知識やノウハウの喪失を防ぐ
  • 顧客や取引先との関係維持

引き継ぎができなければ、当該社員がもっている知識やノウハウが失われます。属人化を防止するためにも、しっかりと引き継ぎできるように対策しましょう。ひとつずつ紹介します。

【理由1】業務の継続性を確保する

引き継ぎが重要な理由のひとつは、業務の継続性を確保するためです。業務の継続性とは、社員が退職したあとも滞りなく業務を進めることを意味します。会社の運営を安定させ、顧客満足度を維持するために欠かせません。

退職する社員の業務が適切に引き継がれなければ、顧客対応の遅延やプロジェクトの進行の停滞などが引き起こされます。

これらの問題を回避するためには、退職者の業務内容を詳細に把握し、適切な引き継ぎ方法を検討しなければなりません。たとえば、下記のような方法が考えられます。

  • 業務マニュアルの作成
  • 関係者との面談の設定
  • 重要な情報やデータの整理・共有

また、引き継ぎ期間中は退職者とほかの社員が協力して業務を進めることで、スムーズに移行できます。

業務の継続性を確保することは、会社全体の生産性を維持し、顧客満足度を保つために欠かせません。後任が決まっていなくても適切な引き継ぎ対策を講じ、業務の中断を最小限に抑えましょう。

【理由2】知識やノウハウの喪失を防ぐ

企業にとって、社員の持つ知識やノウハウは貴重な資産です。特に長年勤務してきたベテラン社員の場合、その価値は計り知れません。適切な引き継ぎがなされないと、せっかくの知識やノウハウが失われる恐れもあります。

知識やノウハウの喪失を防ぐためには、可能な限りマニュアルのような文書にして引き継がなければなりません。また、引き継ぎの過程で新たな改善点や効率化のヒントが見つかるケースもあります。

このように、引き継ぎは単なる知識の伝達だけでなく、業務プロセスの見直しや組織の成長につながる重要な機会です。

なお、特定の社員に知識やノウハウが蓄積されている状態は属人化といい、退職時のリスクが高いものです。そのため、普段から業務を標準化し、属人化をなくすような業務形態を目指しましょう。

>>属人化を解消する方法とは?メリット・成功事例を紹介

【理由3】顧客や取引先との関係維持

顧客や取引先との関係を維持するためにも、退職時の引き継ぎは重要です。特に営業職や顧客対応部門の社員が退職する場合、信頼関係の継続や取引の安定性確保に大きな影響を与えます。

たとえば、信頼関係の継続については、担当者が突然いなくなることで顧客や取引先に不安を与えかねません。そのため、新しい担当者への引き継ぎを丁寧に行い、顧客との関係性を維持することが重要です。

また、取引の安定性確保は企業の信用にも関わります。担当者の交代によって取引条件が変わったり対応が遅れたりすることのないよう、しっかりとした引き継ぎが必要です。

会社は後任が見つかるまで退職を認めないことはできない

会社は後任が見つかるまで退職を認めないことはできない

後任が見つからない場合、会社としては退職を思いとどまってほしいものですが、退職者の意志が優先されます(民法第627条)。

退職に関する法的な取り扱いは、下記のとおりです。

  • 期間の定めのない雇用契約(正社員等)の場合、労働者は2週間前に予告すれば退職できる
  • 就業規則で1ヶ月前と定めている場合でも、法律上は2週間で退職できる

ただし、突然の退職は会社運営に支障をきたす可能性があります。就業規則に法的効力がないとはいえ、できるだけ早めに退職の意思を伝えてもらえるように期間を定めておきましょう。

また、後任の確保や引き継ぎに十分な時間を確保できるよう、退職者との話し合いをしっかりと行うことが重要です。

退職者の協力を得ながら、円滑な業務の引き継ぎと後任の確保に努めることが、会社にとって最善の対応といえます。

引き継ぎする後任がいない場合の対処法3つ

引き継ぎする後任がいない場合の対処法3つ

引き継ぎする後任がいない場合、下記の対処法を検討しましょう。

  • アウトソーシングを活用する
  • 既存社員へ業務を分配する
  • 新規採用者を募集する

緊急度が高い場合は、アウトソーシングの活用がおすすめです。業者と業務内容によっては、即日対応できる場合もあるため比較的スムーズに移行できます。順番に見ていきましょう。

【対処法1】アウトソーシングを活用する

後任が見つからない場合、アウトソーシングの活用が効果的です。アウトソーシングには下記のようなメリットがあります。

  • 即戦力の確保が可能
  • 必要な期間だけ人材を確保できる
  • 専門性の高い業務にも対応可能

アウトソーシングを活用する際は、業務の範囲を明確にし、それを専門とする適切な業者を選ぶのが重要です。また、セキュリティ対策の徹底も欠かせません。

たとえば、オンライン秘書・オンラインアシスタントサービス『i-STAFF』は、バックオフィス業務全般において高いスキルと知識をもつスタッフが在籍しています。請求書作成や見積書作成などのドキュメント作成はもちろん、Webサイト運用に関する専門的な知識もあるため、幅広い業務の依頼が可能です。

アウトソーシングを上手く活用すると新規採用や教育のコストも抑えられるため、積極的に検討したい選択肢といえます。

【対処法2】既存社員へ業務を分配する

専属的な後任が見つからない場合は、既存の社員に業務を分配することも考えましょう。しかし、単純に仕事を振り分けるだけでは、効果的ではありません。下記の点に注意して進めましょう。

  • 業務の優先順位を明確にする
  • 各社員のスキルや経験を考慮する
  • 負担が特定の社員に偏らないよう配慮する

まず、退職する社員の業務を洗い出し、緊急度と重要度で分類します。そのうえで、各業務を適切な社員に割り当てます。

業務分配後は、定期的に進捗を確認し、必要に応じて調整しましょう。

また、分配された業務が一時的なものか、永続的なものかを既存社員に明確に説明しなければなりません。この説明がなければ、既存社員の負担が増大するだけでなく、モチベーションの低下につながる恐れがあります。

【対処法3】新規採用者を募集する

既存社員の負担が大きく、業務分配で解決しない場合は、新規採用を検討しましょう。新規採用のメリットは、下記のとおりです。

  • 新しい視点や専門知識を導入できる
  • 組織の活性化につながる
  • 長期的な人材育成によって人的な資産になる

ただし、求職者からの応募が来るかどうかはコントロールできず、いつまでも採用できないリスクがあります。また、採用から戦力化までには時間がかかるため、アウトソーシングや既存社員への業務分配と併用するのがおすすめです。

社員が退職しないためにできること

社員が退職しないためにできること

社員の退職を防ぐためには、日頃から下記のポイントを意識しましょう。

  • 定期的な面談で社員の不満や要望を把握する
  • キャリアパスを明確にし、成長の機会を提供する
  • 適切な人事評価制度を導入する

社員のモチベーションを上げるためには、適切な人事評価制度が重要です。ひとつずつ見ていきましょう。

1.定期的な面談で社員の不満や要望を把握する

社員の退職を防ぐためには、定期的な面談を通じて社員の不満や要望を把握することが重要です。

面談で確認する内容は、業務に関する課題だけでなく、職場環境についても話し合います。上司は聞くことに集中し、社員の本音を引き出しましょう。

面談で得た情報は、下記のように活用します。

  • 業務改善や職場環境の向上に反映
  • 人材育成計画の策定に活用
  • 組織の課題発見と解決策の検討

たとえば、社員から指摘された非効率な作業プロセスを見直し、業務改善を行います。非効率的な業務が多く、業務に不満を覚えて退職を考える場合があるため、定期的な確認が重要です。

また、社員のモチベーション向上も図れるので、組織全体の生産性向上につながります。

2.キャリアパスを明確にし、成長の機会を提供する

社員のモチベーション向上と定着率アップには、キャリアパスを明確にし、成長の機会を提供することが効果的です。具体的には下記の取り組みが挙げられます。

  • 社内での昇進・昇格の基準を明確化する
  • 各役職に必要なスキルや経験を明示する
  • 定期的なスキルアップ研修を実施する
  • 資格取得支援制度を導入する

スキルアップの支援が充実していれば社員は自己成長の意識が高まり、キャリアパスが明確化されると長期的な視点で会社での将来像を描きやすくなります。

このように、具体的なキャリアパスと成長機会を示すことで、社員の長期的な定着を期待できます。

3.適切な人事評価制度を導入する

社員の退職を防ぐために、適切な人事評価制度を導入しましょう。公平で透明性の高い評価システムは、社員のモチベーション向上につながります。

人事評価制度の評価基準は、業績だけでなく、スキルや勤務態度も含めた多面的なものにしましょう。また、評価結果を給与やキャリアアップに反映させることで、社員の努力が報われる仕組みを作ります。

適切な人事評価制度は、社員の成長を促し、会社への貢献意欲を高めます。結果として、優秀な人材の流出を防ぎ、長期的な企業の発展が可能です。

突然の退職で後任がいない場合はアウトソーシングがおすすめ

突然の退職で後任がいない場合はアウトソーシングがおすすめ

社員が退職する際に後任がいない場合、会社は業務分配や新規採用などさまざまな対応を迫られます。

特に、即戦力としてすぐにでも人材を確保したい場合は、アウトソーシングの活用がおすすめです。このような方法を状況に応じて組み合わせることで、円滑な業務の引き継ぎができます。

また、社員の退職を未然に防ぐことも重要です。定期的な面談の実施やキャリアパスの明確化、適切な人事評価制度の導入により、社員の定着を図りましょう。

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